コナミグループは、10月30日、2025年3月期 第2四半期の連結決算(IFRS)を発表し、売上高1840億8400万円(前年同期比19.7%増)、事業利益502億1700万円(同41.8%増)、営業利益498億4400万円(同40.6%増)、最終利益364億0100万円(同35.7%増)と大幅増益だった。9月中間期として売上、利益が過去最高だったとのこと。
・売上高:1840億8400万円(同19.7%増)・事業利益:502億1700万円(同41.8%増)・営業利益:498億4400万円(同40.6%増)・最終利益:364億0100万円(同35.7%増)
同社では、デジタルエンタテインメント事業の主力コンテンツが安定的に業績に貢献したことにより、売上高に加えて、事業利益、営業利益、税引前利益、最終利益の全ての利益区分が過去最高を更新した、としている。同社によると、大型アップデートを実施し新機能を追加した「eFootball」が引き続き好調に推移したとのこと。
■デジタルエンタテインメント事業
売上高は1316億5000万円(前年同期比28.9%増)となり、事業利益は466億5500万円(前年同期比50.3%増)となった。
新しい取り組みとしては、家庭用・モバイル・PCで配信中の「eFootball」において大型アップデートを実施した。選手個々の能力値を最大化できる新機能や新要素の追加に加え、新シーズン開幕を記念したスタートアップキャンペーンを実施し、引き続き好調な推移となっている。
また、KONAMI野球ゲームアンバサダーである大谷翔平選手が、“カバーアスリート”としてキービジュアルやアプリアイコンなどのイメージを飾るモバイルゲーム「eBaseball: MLB PRO SPIRIT」を今秋配信開始することを発表した。
家庭用ゲーム「パワフルプロ野球」シリーズでは、30周年記念作品「パワフルプロ野球2024-2025」を発売した。
継続した取り組みとしては、「プロ野球スピリッツA(エース)」・「実況パワフルプロ野球」・「パワフルプロ野球 栄冠ナイン クロスロード」において、「パワプロの日」を記念したキャンペーンなどを実施した。
また、「遊戯王 マスターデュエル」では、累計7000万ダウンロード突破記念キャンペーンを実施した。遊戯王カードゲームにおいては、25周年記念プロジェクトを引き続き展開している。グッズの販売やキャンペーンを実施し、多くのユーザーに好評を得ている。
eスポーツでは、「eFootball Championship 2024 World Finals」をコナミクリエイティブセンター銀座のesports 銀座 studioで開催し、コンソール部門・モバイル部門それぞれで世界一のプレーヤーを決定した。また、遊戯王カードゲームの世界トップデュエリストを決めるeスポーツ世界選手権「Yu-Gi-Oh! World Championship 2024」全4部門の決勝戦を米国シアトルで開催した。世界各国・地域の予選を勝ち上がってきた総勢88名の選手による熱戦が2日間にわたり繰り広げられた。さらに、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)公式野球ゲーム「WBSC eBASEBALLパワフルプロ野球」を競技タイトルとする、WBSC主催のeスポーツの世界大会「WBSC eプレミア12 2024」の日本代表決定戦を「東京ゲームショウ2024」で実施した。
■アミューズメント事業
売上高は108億600万円(前年同期比8.0%増)となり、事業利益は20億7100万円(前年同期比73.6%増)となった。
販売台数を伸ばしている「桃太郎電鉄 ~メダルゲームも定番!~」に続き、コナミの人気IPをモチーフにした「パワフルプロ野球 開幕メダルシリーズ!」を発売し、ユーザーから好評を得ている。プッシャーゲームでありながら野球の醍醐味であるボールを打つ気持ち良さを体験できる。
アミューズメント施設向けビデオゲームにおいては、「pop’n music」シリーズの最新作「pop’n music Jam&Fizz(ポップンミュージック ジャムアンドフィズ)」が稼働を開始した。アメリカンダイナーをイメージした食べ物や音楽、雰囲気をテーマに演出を一新し、プレーヤーの要望に応えた機能を多数追加している。また、コナミのアミューズメント施設向けゲームを日本全国のネットカフェで遊べる「e-amusement for NetCafe(イーアミューズメント フォー ネットカフェ)」のサービスを開始した。
「麻雀(マージャン)ファイトガール」や「QuizKnock STADIUM(クイズノックスタジアム)」など、アミューズメント施設で好評稼働中のコナミの人気タイトルを楽しむことができる。プライズゲームにおいては、「サーチライト」を搭載し、アミューズメント景品を照らすことによって初心者でも簡単に景品を狙いやすい新型クレーンゲーム機「プクレ」を市場に投入した。さらに、新たなサービスとして「コナミ プレミアムくじ ONLINE」を開始した。プレミアムなオリジナルグッズが当たる、はずれなしのオンラインくじで、PCやスマートフォンを使ってインターネット上で簡単に楽しむことができる。
eスポーツでは、「BEMANI PRO LEAGUE -SEASON 4- beatmania IIDX」が開幕した。競技会場での観戦のほか、パブリックビューイングやライブ配信による観戦等を実施し、eスポーツを様々なスタイルで楽しむことができる。参加しても観戦しても楽しいeスポーツの臨場感をより多くの方にお届けしていく。
■ゲーミング&システム事業
売上高は186億200万円(前年同期比2.6%減)となり、事業利益は23億7700万円(前年同期比23.7%減)となった。
49インチ高解像度ディスプレイを搭載した「DIMENSION49(ディメンション フォーティーナイン)」や、27インチモニターを3台組み合わせた「DIMENSION 27(ディメンション トゥエンティーセブン)」が当事業のスロットマシン販売をけん引した。大型ディスプレイを組み合わせた「DIMENSION 43×3(ディメンション フォーティースリーバイスリー)」も着実に販売台数を伸ばしている。
パーティシペーション(レベニューシェア)向け筐体では、湾曲した49インチディスプレイが特徴の「DIMENSION 49J(ディメンション フォーティーナイン ジェー)」等の設置台数が拡大している。
ゲーミングコンテンツでは、北米市場において「Unwooly Riches(アンウーリー リッチズ)」シリーズの人気タイトル「Spice(スパイス)」及び「Sugar(シュガー)」が、発売直後から好調を維持している。ヤギとヒツジのキャラクターによる高度なアニメーションを駆使した演出がユーザーから好評を得ている。また、「Fortune Bags(フォーチュン バッグス)」シリーズの人気タイトル「Lucky Honeycomb(ラッキー ハニーコーム)」や「Dragon’s Law(ドラゴンズ ロー)」等のタイトルが順調に販売数を伸ばしている。
さらに、人気の「All Aboard(オール アボード)」シリーズから着想を得た「Charms Full Link(チャームズ フル リンク)」シリーズの市場への展開が拡大している。豪州市場においては、金色のブタのキャラクターが活躍する「K-pow! Pig(カパウ ピッグ)」シリーズや「Bull Rush(ブル ラッシュ)」シリーズが高稼働を維持している。
これらに加え、ネイティブアメリカンが運営するカジノ施設において稼働が認められるクラスIIの機器が8月に米国フロリダ州で試験稼働を開始した。
カジノマネジメントシステムにおいては、米国ニュージャージー州の「Ocean Casino Resort」、オハイオ州の「JACK Cleveland Casino」及び「JACK Thistledown Racino」等の大型カジノ施設に「SYNKROS(シンクロス)」が導入され、その後も導入施設数が増加している。稼働率99.9%という高い信頼性がオペレーターより評価されている。
なお、前中間連結会計期間においてはアジア市場でのコロナ禍後の回復による売上拡大があったが、当中間連結会計期間においては需要が正常化した。
■スポーツ事業
売上高は242億400万円(前年同期比1.7%増)となり、事業利益は11億1100万円(前年同期比30.6%減)となった。
スポーツクラブ運営では、前期好評だったスタジオプログラムの大規模イベント「UNITED FEEL」を開催した。9月には、最も人気のあるスタジオプログラムの一つである「ボディコンバット」が100回目のリリースを迎えたことを記念して、本拠地ニュージーランドよりゲストパフォーマーを招いてスペシャルイベントを開催した。迫力あるスタジオプログラムが展開され、大いに盛り上がった。さらに、子どもから高齢者まで気軽に始められることから近年話題となっている「ピックルボール」を「コナミスポーツ テニススクール 大宮」に導入した。スポーツを通して多くの健康で豊かな人生をサポートしていく。
こども向け運動スクール「運動塾」においては、スポーツを通して子供の心と体の成長をサポートするため、スイミング、体操、ダンス、サッカー、テニス、ゴルフなど様々な種目を展開している。ゴルフスクールでは、「第11回 コナミスポーツクラブ キッズゴルファーチャレンジカップ」の決勝大会を那須ハイランドゴルフクラブ(栃木県)で開催した。予選大会を勝ち抜いた子どもたちとシード選手による熱い戦いが繰り広げられた。大会前日の練習ではプロコーチによるレッスンを行い、参加選手の技術力向上を支援すると同時にゴルフの楽しさをお伝えした。
天井にミラーを設置したマシンピラティススタジオ「Pilates Mirror(ピラティスミラー)」は、東京都と神奈川県において20店舗を新規にオープンし、合計43店舗となった。引き続き入会待ちとなる施設があるなど、多くのユーザーから好評の声を得ている。また、30分集中のパーソナルジム「Personal 30(パーソナルサンジュウ)」の1号店を東京都の経堂にオープンした。「Personal 30(パーソナル サンジュウ)」では、同社が約50年にわたり培ってきた運動指導の実績から実現した、短期間で効率の良いトレーニングを行う。
資産を持たない形でネットワークを拡大するビジネス形態である受託事業では、これまで培った運営・指導のノウハウや実績を活かして事業を推進している。新たに東京都町田市、神奈川県相模原市、石川県かほく市、大阪府大阪市のスポーツ施設の運営受託を開始している。
学校水泳授業の受託では学校側のニーズがより高まっており、日本全国の小中学校で対象校が拡大している。
なお、昨今の諸物価の高騰やエネルギーコストの高止まりによる影響を受けていたが、8月より会費改定を実施した。
■2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の業績は、売上高3800億円(前期比5.5%増)、事業利益925億円(同4.9%増)、営業利益854億円(同5.3%増)、最終利益595億円(同0.6%増)、EPS438.93円を見込む。
・売上高:3800億円(同5.5%増)・事業利益:925億円(同4.9%増)・営業利益:854億円(同5.3%増)・最終利益:595億円(同0.6%増)・EPS:438.93円
計画に対する進捗率は、売上高48.4%、事業利益54.3%、営業利益58.4%、最終利益61.2%となっている。
・売上高:48.4%・事業利益:54.3%・営業利益:58.4%・最終利益:61.2%