【ワシントン時事】米商務省が31日発表した9月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.1%上昇した。伸びは2カ月連続で前月(2.3%=改定)から縮小し、2021年2月以来3年7カ月ぶりの低さとなった。市場予想と同水準。インフレ鈍化の持続が示された。
連邦準備制度理事会(FRB)が物価目標とする2%にほぼ到達した。価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数の上昇率は2.7%と、3カ月連続で変わらず。
項目別では、耐久財などモノの価格は前年同月比1.2%低下。一方、人件費の影響が大きいサービス価格は3.7%上昇した。
FRBはインフレ鈍化を踏まえ、9月の金融政策会合で4年半ぶりの利下げを決定。下げ幅は通常の2倍となる0.5%とし、強い経済と雇用情勢の維持に努める方針を示した。インフレの落ち着きが引き続き確認されたことで、11月6、7日の次回会合で0.25%の追加利下げを決めるとの見方が市場で支配的だ。
9月の個人消費支出は前月比0.5%増と、伸び率は前月(0.3%)から拡大。消費の底堅さをうかがわせた。
◇米PCE物価指数
8月 9月
PCE 前月比 0.1 0.2
前年同月比 2.3 2.1
PCEコア 前月比 0.2 0.3
前年同月比 2.7 2.7
個人消費・所得
個人所得 前月比 0.2 0.3
可処分所得 前月比 0.2 0.3
個人消費 前月比 0.3 0.5
モノ 前月比 ▲0.2 0.5
耐久財 前月比 ▲0.4 0.8
非耐久財 前月比 ▲0.1 0.4
サービス 前月比 0.5 0.5
貯蓄率 4.8 4.6
(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少