「イタリア型」の仕事をするユニクロと東レ
こうした「すったもんだ」を繰り返している日本のアパレルと繊維工場を尻目に、実にうまく「イタリア型の仕事」をしているのがユニクロと東レである。東レは、レーヨンというパルプからつくる原料の糸をつくるのがうまい。「HEATTECHとはどうあるべきか」「これをよりよくするためにはどうすべきか」というテーマを消費者の声を参考にして開発・改良しているのだ。
こうしたやり取りを紡績の綿からつくり、素材を供給しているのは、ユニクロの他にはオンワード樫山ぐらいしか私は知らない。サウスオーシャンという香港で1、2を争うニット工場と協力し、VMI (Vendor Management inventory 在庫水準点を在庫が下回ったら発注書無しで原料をつくる)で、各店舗にディストリビュートしている。
立場上、直接東レの強さの秘訣を書くことができないので、もどかしいのは承知の上で、イタリアの紡績の強さの本質を論じ、それと近い戦略で展開する部分にこそ東レの強さの本質があるという書き方にさせてもらった。さらに書ける部分があれば今後別途書いていきたいと思う。
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プロフィール
株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院
著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言
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