注目のコスモス東北1号店は福島県白河市!? 【今週の大店立地法速報】
DCSオンライン編集部の調べによると、今週1週間(9月10日~9月16日)で新規に確認できた大規模小売店舗立地法(大店立地法)に基づく届出情報は7件だった。経済産業省は2024年3月末に大店立地法の届出状況の公表を終了。以降、各自治体が届出状況を公表している。今週はどのような新情報があったのか。DCSオンライン編集部が独自に収集したデータを確認していく。
今週、新規に確認できた届出は7 件だった。食品スーパーからは、ベルク(埼玉県)、サンベルクス(東京都)がそれぞれ1店舗オープン。ベルクは埼玉県草加市、サンベルクスは埼玉県川口市に出店する。サンベルクスは川口市初出店となる。
埼玉・川口エリアは「ヤオコー」「オーケー」が複数店舗を展開するほか、「サミット」「マルエツ」なども店を構える食品スーパーの激戦区である。東京都足立区を地盤とするサンベルクスは昨年、「三軒茶屋」駅の近くに城西エリア初出店となる「世田谷太子堂店」をオープン。地盤から離れた激戦区においても一定の支持を集めている。激戦地・川口でも顧客支持を集めることができるか注目だ。
ドラッグストアからは3件で、本コーナー常連のコスモス薬品(福岡県)が2店舗、ドラッグストアモリ(福岡県)が1店舗をそれぞれオープンする。最も注目すべきは、26年4月新設予定の「ドラッグコスモス白河老久保店」(福島県白河市)だ。
コスモス薬品は7月に開かれた通期決算説明会で、来期(27年5月期)中に福島1号店を出店することを明らかにしている。横山英昭社長は説明会の場で「福島県はすでに出店契約済み」と発言しており、出店時期などを踏まえるとこの「白河老久保店」が東北1号店になる可能性が高い。
出店地の白河市老久保には「ベイシア白河モール店」があり、「カインズ」「ツルハドラッグ」「西松屋」「オートバックス」「コメダ珈琲」などとともに商業ゾーンを形成している。単独の路面店が多いコスモス薬品だが、東北1号店は近隣型ショッピングセンター内への出店となるのか。続報が待たれる。
地盤とする福岡を飛び出し、“東征”を続けるコスモス薬品。食品の売上高構成比は今や6割を超えており、食品スーパーのシェアを削り取りながら商勢圏を拡大している。ある業界関係者は「コスモスの躍進が九州~西日本の食品スーパー再編のきっかけとなっている」と指摘するなど、とくに食品小売への影響は絶大だ。白河市には、「ツルハドラッグ」「薬王堂」「カワチ薬品」など東日本地盤のドラッグストアも多く店を構えている。来年は「白河の関」の攻防戦が注目されそうだ。