【新店速報】平和堂「フレンドマート今堅田店」、NSCで空白マーケットを開拓
平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)は2025年10月31日、滋賀県大津市に食品スーパー業態の「フレンドマート今堅田(いまかたた)店」(以下、今堅田店)をオープンした。大津市内では5年ぶり、湖西エリアでは13年ぶりの新規出店となる。出店地は2023年1月に閉店した「スーパーセンターイズミヤ堅田店」の跡地で、以前は遊園地「びわ湖タワー」があった場所でもあり、地域の関心度は高い。

周辺店舗とドミナントエリアを強化
最寄りのJR湖西線「堅田(かたた)」駅から直線距離で北東800mの場所に立地している。今堅田店のほか、共同出店したカインズの「カインズ堅田店」(11月12日オープン)、さらに、湖西エリア初登場となる「無印良品」(11月21日オープン)など集客力の高い専門店が入り、利便性の高い近隣型ショッピングセンター(NSC)「レイクウェル堅田」を形成している。
琵琶湖大橋につながる国道477号線と、滋賀県道558号高島大津線の交差点に面しており、クルマでのアクセスはよい。
初年度売上高目標は21億4000万円(直営)に設定する。夏原陽平専務は「NSCでの出店はほかのテナントとの相乗効果により、売上高は単独店より30〜35%の押し上げ効果が見込める」と明かす。
周辺で営業している平和堂の店舗は、堅田駅前に「アル・プラザ堅田」、北1kmのJR湖西線「和邇(わに)」駅前に「平和堂和邇店」をはじめ、半径5km圏内に食品スーパー(3店)、総合スーパー(1店)の合計4店がある。ただ周辺の一部には、シェアの低いエリアもあり、今回の出店によりドミナント強化を図り、湖西エリア全体のシェア拡大をめざす。
商圏特性に目を向けると、半径1kmの1次商圏では、20〜30代の若い世代が多く、単身または2人以下の少人数世帯が県平均と比べて目立つ。一方、同2〜3kmの2次商圏では60代以上のシニア層の割合が高く、年齢層の二極化が進んでいる。この中、平和堂では30〜40代のファミリー層を主なターゲットとして集客を図る方針だ。
ただ堅田エリアは、優良なマーケットが広がるため、競争は激しい。北1.1kmには「バロー真野店」はじめ、近隣には有力スーパーが多いほか、2026年秋には大阪地盤の万代(阿部秀行社長)が「万代堅田店」(仮称)をオープンする計画だ。
ユニークな簡便・即食商品
今堅田店の売場面積(直営)は1954㎡で、平和堂の食品スーパーとしては最大規模の「600坪タイプ」となる。現在、同社では「健康」「子育て」「高齢者」をテーマに掲げた事業を展開しており、新店でもこれらを具現化する品揃え、売場づくりを行っている。また生鮮食品を強化しており、青果、精肉、鮮魚にデリカを加えた生鮮4品の売上高構成比は51%で計画を組んでいる。
商品・価格政策については、頻度品は低価格で提供する一方、味や品質にこだわった商品を積極的に販売する方針。本稿では、需要が拡大する即食・簡便商品の取り組みにスポットを当てたい。
青果部門では、新鮮な果物を使ったカットフルーツのほか、サンドイッチ、ワッフルといったスイーツを集めたコーナーを特設。また単身やシニア層の個食ニーズに対応、野菜や果物のバラ売りや少量商品も徹底している。


鮮魚部門は対面コーナーを導入、丸魚を豊富に扱う一方、フライパンなどの加熱調理ですぐに食べられる味付け済みの半調理品を集め、「チャチャッとかんたん!ひとてまシールド」コーナーが見られた。


精肉部門では、主通路に面した場所に大型の冷蔵平台を据え、ローストビーフを充実させていた。

強化するデリカ部門では、鉄板コーナーを設けており、にぎわいが感じられる。お客の目の前で調理したお好み焼きやだし巻きのほか、中華総菜売場を設けるなど、独自食の強い品揃え、売場づくりを行っていた。また、冷凍食品では、栄養バランスに配慮した平和堂PB「E-WA! 」の「おかずワンプレート」シリーズを揃え、即食・簡便ニーズに多角的に対応している。



これら即食・簡便への対応は、競争が激化する湖西エリアにおいて来店動機を高める重要な要素となりそうだ。
【店舗概要】
オープン日 2025年10月31日
所在地   滋賀県大津市今堅田3-11-3
店長    藤本信行
営業時間  9:00〜21:00
直営面積  1954㎡
駐車台数  約620台(商業施設共用)