9月の景気動向指数、3カ月ぶり改善=半導体需要が追い風

内閣府が10日発表した9月の景気動向指数(2020年=100)速報値は、景気の現状を示す一致指数が114.6と前月比1.8ポイント上昇し、3カ月ぶりに改善した。生成AI(人工知能)の普及に伴う半導体需要を背景に、半導体製造装置の生産や出荷の伸びがけん引した。基調判断は「下げ止まりを示している」に据え置いた。
鉱工業生産指数など6指標が改善した。半導体製造装置のほか、フラットパネルディスプレー製造装置の生産や出荷も堅調だった。東南アジアとの電子部品の輸出入が膨らみ、卸売業の販売も好調だった。
数カ月先の景気の動きを示す先行指数は1.0ポイント上昇の108.0と、5カ月連続で改善した。
ただ、今春以降は米関税措置の影響で一致指数の低下傾向が続いていた。第一生命経済研究所の新家義貴シニアエグゼクティブエコノミストは10月の景気動向指数について「生産が弱く推移すれば、基調判断は『悪化』に下方修正される可能性がある」と指摘した。