ファミリーマートがおにぎりの新キャンペーン実施 「ふわうま製法」でつくった新商品とは

ファミリーマート(東京都/細見研介社長)は1114日、既存のおにぎり商品「ごちむすび」「直巻おむすび」に新しい製法を導入すると発表した。2023年から一部商品で採用している「ふわうま製法」を採用し、新商品を開発。18日から実施するおにぎりの新キャンペーンにあわせて販売を開始する。

ファミリーマートおむすびキャンペーン発表会に登壇した同社商品本部デリカ食品部長の木内智朗氏(右)と「ぼんご」の女将、右近由美子氏

専門店とのコラボ奏功しおにぎりカテゴリーが絶好調

 ファミリーマートは今期(262月期)、おにぎりを戦略商品として位置づけ、商品力の強化を進めている。

 まず、253月から大谷翔平選手を「おむすびアンバサダー」に起用。就任に合わせて実施した「おむすび二刀流、解禁」キャンペーンでは、1960年創業のおにぎり専門店「ぼんご」(東京都豊島区)監修商品を含む3商品を展開した。キャンペーンを実施した3週間で累計販売数は922万個。おにぎりカテゴリーの売上高は対前年同期比20%増となった。

 8月には、キャンペーン第2弾として「シンおむすび二刀流、発表」を実施。再びぼんごが2商品を監修したほか、1871年創業の老舗「柿安本店」(三重県桑名市)が監修した2商品を追加した4つの新商品を販売。3週間で累計637万個を販売し、カテゴリー売上高は3月同様、対前年同期比20%増の伸びとなった。

 同月にファミリーマートが実施した独自調査では、おにぎりカテゴリーが来店目的の1位に上昇。そこで、さらなる売上伸長をめざし、第3弾のキャンペーン「おいしさ、新次元へ」の開催を決定した。引き続き大谷選手をアンバサダーに起用し、1118日よりキャンペーンを実施。ぼんご監修の新商品2品を投入する。

専用マシン導入へ20億円追加投資

 今回のキャンペーンで販売するのは4商品。こだわりの具材を使った「ごちむすび」と定番の「直巻おむすび」から、2商品ずつ発売する。

11月18日より順次販売するおにぎりの新商品

 ファミリーマートのおにぎり商品は、「低・中・高」の3つの価格帯で展開されている。高価格帯は「ごちむすび」「大きなおにぎり」、中価格帯は「手巻おにぎり」「直巻おにぎり」、低価格帯は海苔を巻かないおにぎりなどのラインアップだ。

 今回大きく変わったのが「ごちむすび」「直巻おむすび」の製法だ。ファミリーマートは2023年、約20億円を投じておにぎりの専用機械「ふっくらマシン」を導入。ぼんごの握り方を参考に編み出した、米と米の間に空気を入れてやさしく成型し、ふっくらした食感を実現する「ふわうま製法」で商品を製造する。

 従来の製法では、機械に敷かれたシートに米飯を置き、そのうえに具材を乗せて最後に三角形に成形していた。「ふわうま製法」では、おにぎりの形状をしたご飯を2つ用意し、くぼみをつけた片方のご飯に具材を入れ、もう片方のご飯をその上に乗せる。その後、ふわっとした食感を出せるように力を入れすぎず成形するという。

 これまでは、海苔をまいて食べる定番の「手巻おむすび」シリーズのみふっくらマシンで製造していた。約20億円を追加で投資し、「ごちむすび」「直巻おむすび」の製造にもふっくらマシンを導入したという。

 ぼんごが監修した2商品は「ぼんご監修 ごちむすび いくらと秋鮭」(320円)、「ぼんご監修 ごちむすび 牛そぼろと卵黄ソース」(275円)だ。

ファミリーマートが新たに販売する「ぼんご監修 ごちむすび いくらと秋鮭」

 「いくらと秋鮭」は魚沼産コシヒカリを使用し、醤油漬けのいくらと、北海道産の秋鮭のほぐし身を合わせた。「牛そぼろと卵黄ソース」は、国産黒毛和牛の牛そぼろと、とろっとした食感の卵黄ソースを合わせた一品になっている。いずれも18日より順次発売予定だ。

新商品の「ぼんご監修 ごちむすび 牛そぼろと卵黄ソース」

 ぼんごの女将、右近由美子氏はメニューを発案した経緯について、いずれもぼんごで人気の組み合わせを参考にしたと説明する。「いくらと秋鮭」は、ぼんごで組み合わせが人気ナンバーワンのおにぎり「すじこ+さけ」、「牛そぼろと卵黄ソース」はぼんごで人気ナンバー2の「卵黄+肉そぼろ」から着想を得た商品だ。

 右近氏は「具材をたっぷり入れたいという希望を叶った商品に仕上がった。お米も魚沼産コシヒカリを使ってふっくらした食感に仕上げており、ぜひ楽しんでいただきたい」と話していた。

 そのほか、「直巻 高菜と明太子」(189円)、「直巻 サーモンマヨネーズ」(198円)の2商品を販売する。

 ファミリーマート商品本部デリカ商品部長の木内智朗氏は、これまでのおにぎりキャンペーンを振り返り「大谷選手と一緒にキャンペーンを実施させてもらったことで、おにぎりを購入していただく客層が広がったことを実感している。とくに若年層や若い女性が増えた」と手ごたえを口にした。そのうえで、今回のキャンペーンを通じて「おにぎりカテゴリーで(対前年同期比)20%増の売上伸長をめざしたい」と意気込みを語った。

 

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