〔海外決算〕米ウォルマート、8~10月は増収増益=通期業績予想引き上げ

【ニューヨーク時事】小売り世界最大手の米ウォルマートが20日発表した2025年8~10月期(第3四半期)決算は、売上高が前年同期比5.8%増、純利益が34.2%増だった。純利益の増加は主に保有株の値上がりが原因。米メディアによると、売上高と調整後1株利益のいずれも市場予想を上回り、通期業績予想を上方修正した。
既存店売上高は、主力の米国ウォルマート事業(燃料除く)が4.5%増で、特にオンライン販売が28%増と伸びをけん引した。利用客は1.8%増、平均購入額は2.7%増と堅調だった。広告事業「ウォルマート・コネクト」の売り上げは33%増と大幅に成長した。
26年1月期通期の業績見通しについて、売上高(為替変動の影響除く)を「前期比4.8~5.1%増」と、8月に示した「3.75~4.75%増」から引き上げた。調整後1株利益は「2.58~2.63ドル」と、従来の「2.52~2.62ドル」から上方修正した。
根強いインフレを背景に、米国でウォルマートは高所得者層に顧客基盤を広げている。レイニー最高財務責任者(CFO)は20日、米CNBCテレビのインタビューで、あらゆる所得層で市場シェアを拡大したものの、「特に高所得層で顕著だ」と述べた。
◇ウォルマート(WMT)決算の概要
2025年8~10月期 前年同期
売上高 179,496 169,588
純利益 6,143 4,577
1株利益 0.62 0.58
(注)売上高と純利益の単位は100万ドル、1株利益は調整後、ドル