ベルク初の無人店舗がオープン!「Belc Go!大妻中野店」をレポート

ベルク(埼玉県/原島一誠社長)は11月26日、無人店舗「Belc Go! 大妻中野店」(以下、大妻中野店)を開設した。出店地は東京都中野区の大妻中野中学校・高等学校内。同店のシステムには、無人決済店舗システムを250店舗以上で展開するTOUCH TO GO(東京都/阿久津智紀社長:以下TTG)の無人決済システム「TTG-SENSE」を備えている。ベルクとしては初の無人店舗となる同店をレポートする。

大妻中野中学校・高等学校内にオープンした「Belc Go! 大妻中野店」

TTGの無人決済システムを活用

 今回オープンした大妻中野店は、大妻中野中学校・高等学校からの要望によりオープンした。同校には食堂がなく、これまではおにぎり・パンなどを販売する軽食用の自動販売機が設置されているだけだった。しかし、現金決済のみという仕様から待ち時間が増え、生徒のニーズに十分応えられていなかったという。こうした課題を解決するため、学校側がTTGへ相談し、ベルクとの連携が実現した。オープン場所は先述の自動販売機があったスペースで、売場面積は6坪ほど、営業時間は6時~18時としている。

 大妻中野店は、ベルク初の無人店舗で、TTGが提供する無人決済店舗システムを導入している。TTGのシステムは、店舗内の天井に設置されたAIカメラと陳列棚の重量センサーによって、お客が手に取った商品を常に把握する。2つのデータを結びつけることで、店内のどのお客がどの商品を手に取ったかを認識し、お客がレジに向かうと、レジのタッチパネルに購入内容と合計金額が自動で表示されるという仕組みだ。

 大妻中野店では、決済方法を交通系ICカードのみとしている。現金の利用をなくすことで回収コストの発生を防げるほか、決済にかかる時間も短くなるため回転が早いという。

 商品は約6.5km北西の場所にある食品スーパー店舗「ベルク練馬高松店」(東京都練馬区)からピッキングして供給する。物流についてはTTGの物流サービスを活用し、協力会社が商品の仕分け・運搬・陳列までを一貫して行う。

 商品数は約200〜230品目。ベルクの総菜製造子会社ホームデリカ(埼玉県/原島一誠社長)で製造したおにぎりが各種並ぶほか、外部メーカーのサラダ、サンドウィッチなども揃えている。弁当では、「お手軽鯖焼き弁当」(299円:以下税別)や「旨みたっぷり!鶏五目おこわ(小)」(199円)など手頃な価格の商品が見られた。

 また、パンはナショナルブランド商品に加え、ベルクのプライベートブランド「くらしにベルクkurabelc」の商品も提供。そのほか、プリンやエクレアなどのスイーツも差し込んでいる。販売価格はどの商品も母店と同一としており、21日からのプレオープン期間の利用状況を見ると、スイーツ類の販売が好調だという。

パンやはナショナルブランド商品に加え、ベルクのプライベートブランド「くらしにベルクkurabelc」の商品も提供
飲料も基本、プライベートブランド「くらしにベルクkurabelc」をラインアップする
弁当では手頃な価格の商品が見られた。写真は「新!ミックス海苔弁当」(399円)
プリンやエクレアなどのスイーツも差し込んでおり、21日からのプレオープン期間の利用状況を見ると、スイーツ類の販売が好調だという
お客がレジに向かうと、レジのタッチパネルに購入内容と合計金額が自動で表示されるという仕組みだ

 販売データはAI基盤で分析でき、棚に戻した行動も検知可能なため、在庫最適化に生かされる。販売の偏りや時間帯別の動きを見ながら発注量を調整していく方針だ。

 今後の展開について、ベルクの執行役員財務経理部長の須川智之氏は「まずは大妻中野店の採算性と利用状況を見極めた上で判断していく」と話す。また、同社は中野区に店舗を持っていないため、学生という若い顧客層を通じて中野区内での認知度向上もめざしていく考えだ。

 TTGの阿久津智紀社長は、「(大妻中野店のような)自販機レベルの小規模店舗のマーケットは非常に広く、私の試算だと5万カ所ほどあると考えている」とさらなる拡大に自信を見せている。

ベルクの執行役員財務経理部長の須川智之氏
TTGの阿久津智紀社長
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