映画の力で難民の声を世界へ ユニクロは「難民映画基金」に10万ユーロの継続寄付を表明 支援を受けて生まれた5本の短編映画が第55回ロッテルダム国際映画祭で世界初上映

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2026年1月30日、第55回ロッテルダム国際映画祭にて、ユニクロが支援する「難民映画基金(Displacement Film Fund)」による支援作品の世界初上映が行われました。同日に行われた記者会見では、女優・プロデューサーであり、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)親善大使を務めるケイト・ブランシェット氏が登壇し、難民映画基金による支援プログラムの第2弾を発表。ユニクロは創設パートナーとして、2026年も難民映画基金へ10万ユーロの寄付を継続することを表明しました。

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 難民映画基金は、2025年の第54回ロッテルダム国際映画祭において、ケイト・ブランシェット氏とロッテルダム国際映画祭のヒューバート・バルス基金により共同で創設が発表されました。本基金は、避難を余儀なくされた映画制作者、または避難民としての経験を描いた実績のある映画制作者の活動を支援・助成することを目的としています。

 ユニクロは創設パートナーとして、2025年に10万ユーロを寄付しました。基金は選出された5名の映画制作者それぞれに対し、短編映画制作のために10万ユーロを支援しています。そして、この支援を受けて制作された5本の短編映画は、第55回ロッテルダム国際映画祭の公式プログラムとして世界初上映されました。

 支援を受けて制作された作品は、ハサン・カッタン氏(シリア出身)の『Allies in Exile』、モハマド・ラスロフ氏(イラン出身)の『Sense of Water』、シャフルバヌ・サダト氏(アフガニスタン出身)の『Super Afghan Gym』、モ・ハラウェ氏(ソマリア出身)の『Whispers of a Burning Scent』、そしてマリナ・エル・ゴルバチ氏(ウクライナ出身)の『Rotation』の計5作品です。世界初上映の会場では、観客から映画制作者たちへ大きな拍手と熱い声援が寄せられました。

■国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)親善大使 ケイト・ブランシェット氏のコメント
2026020213_img3.jpg「人道危機による人の移動や避難は、いま私たち人類が直面する最大級の課題の一つです。政治的な解決策を待つあいだにも、故郷を離れざるを得なかった人々の物語や視点が、作品づくりやスクリーンの場から置き去りにされてしまう危険があります。それは、多くの可能性を失うことにもつながりかねません。だからこそ、難民映画基金のプログラムを次のサイクルへ進められることを、心から嬉しく思います。支援パートナーは本プログラムに揺るぎないコミットメントを示してくださっており、映画制作者たちも参加に強い意欲を持っています。観客の皆さまが、魅力的で、驚きに満ち、そして心を動かす物語に出会っていただけることを楽しみにしています。」

■株式会社ファーストリテイリング 取締役 グループ上席執行役員 柳井康治のコメント
「ユニクロは20年以上、難民支援に取り組んできました。お客様をはじめ多くの皆さまに支えていただき、支援の輪が広がっていることに深く感謝しています。一方で、難民問題に関する関心や理解は、特に日本国内ではまだ十分に届いていません。私は、映画には人々の意識を動かす力があると信じています。今回公開される5本の短編映画が、多くの方の心に届き、難民の皆さんの中にある素晴らしい才能や、作品を通じた当事者の方々の声が世界へ広がることを願っています。ユニクロは、この取り組みが継続し、より大きな変化につながるよう、今後も支援を続けていきます。」

株式会社ユニクロは、難民映画基金を継続して支援することで、「Made for All」の理念と映画の力を結びつけ、より多くの人々に難民の物語を届けるとともに、世界の難民問題への理解と関心を深めるきっかけを創出してまいります。

■難民映画基金の支援による短編映画5作品

2026020213_img4-1.jpg作品名:『Allies in Exile』 監督:ハサン・カッタン (40分)
シリア出身の映画作家、ハサン・カッタンとファディ・アル・アラビは、14年間にわたり戦争と制作の日々を共に過ごし、その時代を象徴する数々の瞬間を記録してきました。現在、彼らはイギリスの亡命希望者施設に収容されており、飛び交う爆弾の代わりに、”待機”と”官僚主義”、そして”亡命”によって形づくられる新たな日常を記録していきます。
難民への敵意が高まる中で、彼らはカメラを自らの内面へと向け、友情や強制移動の意味を探りながら、未来が見通せない状況において「撮影する」という行為が、生き延びるための手段へと変わっていく過程を映し出しています。

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作品名:『Rotation』 監督:マリナ・エル・ゴルバチ (12分)
市民生活から兵役へと日常が一変した若いウクライナ女性。これまでとは違う現実についてゆけずに助けを求めます。『Rotation』では、そんな彼女が体験する催眠療法の儀式が描かれています。
 
 

2026020213_img4-3.jpg作品名:『Sense of Water』 監督:モハマド・ラスロフ (30分)
亡命という肌寒い現実の中、イラン人作家は異国の言葉と対峙することを余儀なくされます。再び筆を執るためには、愛や怒り、喜びや悲しみといった感情を、その新しい言語の中であらためて見つけ出さなければなりません。書くことの力を再び手にするため、彼は記憶と忘却、失われた言語と新たな言語の間を往来し、人間であること、感情、そして意味を新たに創造する心の旅路へと向かっていきます。

2026020213_img4-4.jpg作品名:『Super Afghan Gym』 監督:シャフルバヌ・サダト (14分)
カブール中心部にあるジムでは、一日のうち女性が利用できるたった一時間に、主婦たちが集まります。昼休みに閉ざされた扉の向こうでトレーニングに励みながら、彼女たちは理想の体型や日々の生活について語り合っています。
 

2026020213_img4-5.jpg作品名:『Whispers of a Burning Scent』 監督モ・ハラウェ (27分)
裁判で重要な審理が行われるその日、結婚式での大切な演奏を控えた寡黙な男は、自身の私生活が衆目にさらされる事態に陥ります。結婚生活を利用していると非難された彼は、裁きや忠誠心、そして胸の奥に秘めた罪悪感の重さを抱えながら、法廷と街、そしてステージのあいだを行き来します。本作は、慎ましくも一度下せば後戻りのできない選択を迫られた男の内面に深く分け入り、献身と尊厳、そして喪失の狭間で揺れ動く、つかみどころのないその本心を見つめます。

■ファーストリテイリングの難民支援活動のあゆみ
・2001年にNPOとともにアフガニスタン難民にエアテックジャケット12,000着を寄贈。
・2006年からはUNHCRと協働し、難民キャンプへの訪問や衣料支援を開始。
 2011年にはUNHCRとのグローバルパートナーシップを締結。
・2011年からユニクロ事業で難民雇用を開始し、2025年5月時点では日本国内のユニクロやジーユーの店舗などで
 59名の難民が就労。アメリカやドイツなど海外事業でも難民雇用を推進。
・2022年からバングラデシュでロヒンギャ難民の自立支援プロジェクトを開始し、2024年末までに773人の難民女性たちに
 縫製技術のトレーニングを提供。2024年には年間425万枚以上のサニタリーナプキンやショーツを生産。
・2022年には平和を願うチャリティTシャツプロジェクト「PEACE FOR ALL」をスタートさせ、2025年4月までに
 710万枚以上のTシャツを販売し、UNHCRを含む人道支援団体への寄付額は21億円を超える。
・2023年にUNHCR主催によるGlobal Refugee Forum参加し、この機会が「難民映画基金」の立ち上げにつながる。
・2024年に新たな活動「The Heart of LifeWear」を立ち上げ、ヒートテック100万点を世界中の必要とする方々に寄贈。
・2025年に「難民映画基金」の創設パートナーとして10万ユーロを寄付。
 「PEACE FOR ALL」による寄付金総額が25億円を突破(2025年8月末時点)
 「The Heart of LifeWear」でシリアの帰還民にヒートテック50万点寄贈
・2026年に「難民映画基金」に対し、継続して10万ユーロを寄付。

■難民映画基金(Displacement Film Fund)とは
「難民映画基金」は、避難を余儀なくされた映画制作者、または避難民としての経験を描いた実績のある映画制作者の活動を支援・助成するために設立されました。2025年の第54回ロッテルダム国際映画祭(IFFR)において、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)親善大使であるケイト・ブランシェット氏が発表し、マスターマインド、ユニクロ、ドローム・エン・ダード、タマーファミリー財団、アマホロ連合が創設パートナーとして名を連ねています。ヒューバート・バルス基金を運営パートナー、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を戦略パートナーとし、短編映画への助成制度を開始。さらに、第55回ロッテルダム国際映画祭において、新たな主要パートナーとしてアールティ・ロヒア氏およびSPロヒア財団が加わることが発表されました。両者はパイロットイヤーの成功を受け、同基金への支援を約束しています。

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