カインズ、マフィン専門店をオープン 商業施設内にテイクアウト専門業態
飽くなき商品開発の追求
カフェブリッコは2015年に埼玉県鶴ヶ島市の「カインズ 鶴ヶ島店」で初めてマフィンの販売を開始して以来、顧客の声に耳を傾けながら改良を重ねてきた。
しっかり大きいアメリカンマフィンとは異なり、カフェブリッコのマフィンは小ぶりで柔らかな食感が特徴。老若男女問わず食べやすいと好評を博している。甘さも日本人の嗜好(しこう)に合わせて控えめに調整されており、日常のおやつにちょうどよい程よい甘さのものから、朝食や昼食にもなるおかず系マフィンまでバリエーションを揃えている。
徹底した品質・商品力の追求により、マフィン累計販売数はすでに2800万個を突破。カフェブリッコの看板商品として確固たる地位を築いている。
マフィンズのオープン時点で用意された約20種類のマフィンのうち7種類は店舗限定フレーバーや季節限定品であり、ピザ「マルゲリータ」から着想を得たトマト&チーズ風味の総菜マフィン「マルゲな気持ち」や、桜餅を丸ごと一つ包み込んだ季節商品「さくらベリー」など遊び心あふれる新商品も並ぶ。

また、製造設備にも工夫を凝らしている。新業態展開に当たり最新式のコンベクションオーブンを導入した。焼成初期の送風量を抑える調整が可能なこのオーブンによりマフィンが綺麗に垂直に膨らみ、見た目の完成度が飛躍的に向上したという。

実際、須田社長は「今回のコンベクションオーブンの導入でマフィンのクオリティが向上したことが、いちばんの収穫だ」と述べている。
品質向上に伴いマフィンズ府中店で販売する商品の価格帯はHC内のカフェブリッコより約2割高く設定されている。
試験販売で手応えをつかむ
マフィンズ府中店はまずはテイクアウト特化型業態として日販1000個のマフィン販売を目標に据える。カフェブリッコで培ってきた飲食ノウハウを武器に、駅近の商業施設という新たな立地でブランド力向上と新規顧客の開拓を図る戦略である。
マフィンズを出店する1年前の24年春には、東京都内でのポップアップ店舗で市場の反応を検証した。期間中に複数回訪れるリピーター客が現れるなど手応えを得たことから常設店オープンに踏み切った経緯がある。
今後は首都圏を中心に同様の小型専門店を展開する可能性も視野に入れる。テナント出店によってマフィンズの露出を高めることで新たなファン層の獲得につなげたい考えである。
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