「香りの言語化」で酒類の購買体験を変える! AIソムリエ「KAORIUM」の実力とは
観光客の土産選びや日常のペアリング提案も実現
KAORIUMは2021年にフレグランス専門店で採用されたのを皮切りに、現在では飲食店や小売店などへの導入が広がっている。とくにこの1年で導入店舗数が140店増加するなど、拡大のスピードは加速している。最近では、インバウンド需要の回復を受けて、観光地のホテルや道の駅、都心の家電量販店などでの導入も増えているという。
その背景にあるのが、購買体験の質を高めるKAORIUMならではの特性だ。たとえば、観光地の駅で地酒などのお土産を探す訪日客の中には、商品の多さに圧倒され、購入を諦めてしまうケースも少なくない。金子氏は、「KAORIUMを通じて商品を“選べるようになる”ことで、購入へと自然につながっていく。こうした体験を提供できることがわれわれの強みだ」と話す。
また、「紀ノ国屋渋谷スクランブルスクエア店」(東京都渋谷区)では、KAORIUMとデジタルサイネージを連携させ、日本酒に合うおつまみを提案する「ペアリング企画」を実施。日常の購買シーンにおいても、ペアリング提案を通じて、新たな購買体験の創出を図っている。

さらに、専門知識を持つスタッフを十分に配置できない飲食店では、KAORIUMがその代わりとなることで、接客にかかる負担を軽減しながらも、顧客満足度の向上が期待される。人手不足という飲食業界の構造的な課題の解決にもつながる。