ヤオコー親会社、ブルーゾーンHDが発足後初の決算を発表

M&Aで上場SM企業売上高3位が視野に

ブルーゾーンHDの川野澄人社長

 プライベートブランド(PB)の事業規模も順調に拡大している。ヤオコーのPBYes!3シリーズ、ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)とヤオコーが共同開発しているPBstar select(スターセレクト)」など、すべてのPB商品の売上が伸長。とくに、栄養バランスを意識した「Yes! Happiness」が同24.9%増、レギュラーラインアップである「Yes! Everyday」が同14.9%増と大幅に伸びた。PB全体の売上高は同11.0%増となり、売上高構成比は同10.35%と、前年同期比で0.16pt上昇している。

 ただ、PBのグループ企業への展開については慎重な姿勢だ。川野社長は「ヤオコーで売れているPBをほかの事業会社に横展開していくことが、必ずしもよい結果につながるとは限らない。各社に本当に必要かどうか、納得できる理由がなければ導入しても意味がない」と話す。一方で、小川貿易(埼玉県/本橋良則社長)が輸入しているワインやパスタなどについては「ナショナルブランドの商品と比較しても品質と価格のバランスがよく、導入するメリットは大きいと考えている。順次拡大していきたい」と述べた。

 通期の業績予想(連結)は期初から据え置き、営業収益が対前期比4.8%増の7720億円、営業利益が同1.2%増の338億円、経常利益が同1.3%増の330億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.6%増の205億円と増収増益を見込む。

 なお、ブルーゾーンHD は、1016日付で完全子会社化した文化堂と、1031日付で連結子会社化したデライトHDの業績を20263月期第4四半期の連結業績から反映する予定だ。

 東京都と神奈川県に店舗網を持つ文化堂は、255月期の売上高が278億円、営業利益は8億円、愛知県および静岡県でSM「クックマート」を運営するデライトHD253月期の売上高は354億円、営業利益は8億円となっている。3社を単純合算した場合、期末の予想売上高は8300億円を超えることになる。予想通りに業績が推移すれば、上場しているSM企業の中で、ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都:同9798億円)、ライフコーポレーション(大阪府:同8850億円)に次ぐ第3位の事業規模となる。

 今後について、川野社長は「新たにグループ入りしたデライトHDと文化堂は、それぞれに異なる強みを持つ。デライトHDは生鮮品の鮮度管理や品揃えに加え、デリカの商品開発力に優れており、文化堂は都内の100200坪クラスの小型店運営で培ったノウハウがある。両社の強みを生かしながら、互いに学び合い、グループ全体としての成長につなげていきたい」と意気込んだ。

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