食品スーパーで服を売るための「たった1つの方法」

顧客行動の違いは副次的だが無視できない

 食品購買は「短時間で必要物を補充する」行動であり、比較・試着・感性の熟成を伴うファッション購買とは前提が違う。ただし、これは第二の問題である。

 下着・靴下などのコモディティ衣料はついで買いが成立する。しかし、ファッション品が売れるためには、

1. VMD=世界観が伝わる売場空間
2. 服を語れる販売員またはその代替手段
3. ユニクロ・ZARA・SHEINと比較に耐えるコスパ

の3条件が必要となる。現状、食品スーパーの平場は、精々デザイナーと契約するか、ユニクロの”パクリブランド”を売る程度だ。

衣料を「置く」のではなく、「構造」をつくらなければ成立しない

 もし食品スーパーで衣料を成立させたいのであれば、

• アイテム単位での実際原価管理方の導入
• 滞留を生む売場と物語をつくる非日常的VMD
• 接客員の再構築

 これらを最初から一体で設計する必要がある。

 すでにこの仕組みを内蔵しているのは、ECアパレルである。よって、食品スーパーが行うべきは、「自前で衣料MDを持つこと」ではなく、たとえば、ECアパレルなどとポイント・会員基盤を連携し、異業種間CRMを構築することだ。もちろん、実店舗でも構わない。

• 食品スーパーは「顧客基盤・来店頻度」を持つ
• アパレルは「SKU管理・MD・世界観」、会計制度やノウハウ持つ

 この2つを接続することが、唯一の合理的解である。もっと具体的なモデル(ポイント統合・在庫連携・店頭トライアル導線・SKU別収益配分設計)について知りたい方は、ぜひお問い合わせいただきたい。

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