サンクゼール中間決算は増収増益 ホールセール・グローバル伸長が業績をけん引
「既存店客数の増加」「粗利益率の改善」をめざす
サンクゼールは今期の課題として、「既存店客数の増加」「粗利益率の改善」を掲げている。
既存店客数の増加に向けては、店舗での体験価値向上に力を入れる。物価高により買い控え傾向が強まる中、試飲・試食の実施に加え、POPやディスプレイの刷新をはじめとした売場改革に取り組む。来店動機と買上点数の双方を底上げし、既存店売上の再成長につなげる考えだ。こうした施策により、KPIに設定する「3年後に既存店の平均年商を現状比1.2倍、ロイヤル顧客数を3倍」を実現するとしている。
粗利益率の改善については、原材料高騰の影響額が約10億円に達し、営業利益率に与えるインパクトが5%に及んでいることを踏まえ、製造原価の低減やFC向け卸価格の適正化などを通じて収益の底上げを図る。その結果、先述のとおり中間期までに粗利益率は35.9%まで回復している。
そのほか新規事業として、26年7月、長野市善光寺門前に観光客向けの土産菓子店を出店する。サンクゼールは今後、全国の観光名所で店舗を展開する構想を掲げている。自社のブランド構築力や商品開発力、地方創生の実績を生かしながら、菓子カテゴリーで新たな収益源を育成していく。
物価上昇と節約志向、消費の二極化が続くなか、サンクゼールはホールセールとグローバル事業を成長軸に据えつつ、粗利益率の改善と既存店の体験価値向上、新規事業の立ち上げを通じて収益基盤の強化を図っていく方針だ。
通期の業績予想は期初から据え置き、売上高が対前期比6.4%増の207億円、営業利益が同9.9%増の9億円、経常利益が同8.4%増の9億円、当期純利益が同38.3%増の4億円を見込む。
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