ウエルシアとツルハがついに経営統合!新生・ツルハHDが描く成長ビジョンの全容
2025年12月1日、ドラッグストア業界のトップ2社がついに経営統合を果たした。イオン(千葉県/吉田昭夫社長)主導のドラッグストア事業再編により、業界2番手ツルハホールディングス(北海道/鶴羽順社長:以下、ツルハHD)と業界最大手ウエルシアホールディングス(東京都/桐澤英明社長:以下、ウエルシアHD)が統合。売上規模約2兆3000億円の巨大ドラッグストアが誕生した。12月1日に開催された「経営統合後ビジョン会見」で語られた内容をレポートする。

ついに誕生した巨大DgS連合
イオン、ツルハHD、ウエルシアHDの3社は、24年2月28日に資本業務提携契約を締結し、ツルハHDとウエルシアHDの経営統合に向けた協議を開始。27年12月31日までに最終合意に係る契約の締結をめざしていた。しかし25年4月、経営統合を当初の目標から2年前倒しし、25年12月1日に実施することを発表。そして本日、ツルハHDを親会社、ウエルシアHDを完全子会社とする、新生・ツルハHDが誕生した。
経営統合当日に開催された「経営統合後ビジョン」の発表会見では、イオン、ツルハHD、ウエルシアHD3社のトップが登壇し、今後の取り組みについて語られた。なお、当初は12月1日に中期経営計画を発表する予定であったが、株価およびのれん算出の影響を踏まえ中期経営計画の公表は見送られ、「経営統合後ビジョン」というかたちでの発表となった。
誕生から老後まで寄り添う「ライフストア」の実現へ
ツルハHDは統合により、売上高2兆3124億円、国内店舗数5659店舗と圧倒的な規模のドラッグストアチェーンとなった。ドラッグストアの市場シェア2割以上を占めることとなる。出店エリアは、全国47都道府県すべてを押さえたかたちだ。
経営理念には、統合以前からツルハHDが掲げていた「お客様の生活に豊かさと余裕を提供しよう」を据え置く。経営理念達成に向けては新たに3つの柱として「グループビジョン」「バリュー」「ブランド・プロミス」を定めた。
なかでも、「グループビジョン」では、「ドラッグストアから、人生に寄り添うライフストアへ進化する」と掲げている。この「ライフストア」とは、ツルハHDが新たにめざすドラッグストア像だ。
ツルハHDの鶴羽順社長は「ドラッグストアの役割は、もはや『薬を買う場所』だけではない。美容品や食料品といった日々の買物や健康支援など、いろいろなことが1つにつながり、お客さまの人生を支えている。これがライフストアの本質だ」と定義する。

ライフストアの確立に向けては、統合で得た全国5659店舗のネットワークに加え、薬剤師・登録販売者・管理栄養士など約5万人の専門人材を含んだ約11万6000人の従業員数が大きな武器となる。圧倒的な店舗数・人材を生かし、誕生から老後まで生涯を支え続けられる「『人生そのものに寄り添う』店」(経営統合後ビジョン資料より)をめざす方針だ。