ウエルシアとツルハがついに経営統合!新生・ツルハHDが描く成長ビジョンの全容

見えた「世界3位の背中」 グローバルでも存在感発揮をめざす

 ツルハHDは海外市場への本格進出についても意欲を見せる。現在、ツルハHDはタイに23店舗、ベトナムに1店舗を展開。ウエルシアHDはシンガポールに12店舗を展開している。今後はイオングループの海外基盤や出店ノウハウを活用するほか、M&A(合併・買収)も駆使することで、主にASEAN地域を中心に展開エリアのさらなる拡大を進めていく方針だ。

 同社の資料に提示されていた、世界のドラッグストア企業における小売事業売上高のランキングを見ると、1位のウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(アメリカ)と2位CVSヘルス(同)の2社がともに売上高1200億ドル(約18兆円:1ドル155円換算)を超える圧倒的な規模を有している一方で、3位のASワトソングループ(香港)は243億ドル(約3兆8000億円)と大きく差が開いている。

 対するツルハHDは、今回の統合でドルベースの売上高は148億ドルとなり世界6位に付ける。鶴羽社長は「売上規模でいえば、“第2グループ”の領域に入り、世界3位の背中が見える位置に立った。世界でも存在感を示していく覚悟だ」とグローバルでの存在感発揮に向けても強気な姿勢だ。

 今回の経営統合に対するイオンの関与について、イオンの吉田昭夫社長は「われわれが果たすべき役割は、新生ツルハHDの成長を力強く支えていくことだ。グループが有するスケールメリット、さまざまなフォーマット展開、インフラ基盤といった経営資源の共有はもちろん、ガバナンス支援、人材交流などの支援を惜しまない。この環境変化の早い時代において、スピード感は非常に重要。1から立ち上げるのではなく、グループが持っているものをどんどん活用してほしい」と話す。

イオンの吉田昭夫社長(左)は、イオングループのスケールメリット、さまざまなフォーマット展開、インフラ基盤といった経営資源の共有に意欲的な姿勢を見せる

 なお、各戦略の数値計画や業績見通しについては、26年4月に公表予定の中期経営計画で改めて開示される予定だ。

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