「ドトール 直火焙煎ドリップ」の確かな実力 26年春夏に登場する水出しタイプにも期待
1杯から手軽に本格的なコーヒーが楽しめる簡易型レギュラーコーヒー市場は堅調に推移しており、なかでも「ドトール 直火焙煎ドリップ」は、品質と価格のバランスに優れた商品として好調だ。2026年春夏には「直火焙煎」シリーズの新商品を投入し、ブランドのさらなる強化を図る。
「毎日飲みたい味わい」で、幅広い層に浸透

ドトールコーヒーが創業当初からこだわり続けているのが「香り高く味わい深いコーヒー」だ。その味わいを支える技術が直火焙煎である。直火焙煎は、焙煎師が気温や湿度、豆の状態を見極めながら火加減を微調整する必要があり、時間も手間もかかる非効率な製法とされるが、その分、豊かなコクと香ばしくまろやかな味わいを実現できるのが特長だ。ブラックはもちろん、ミルクとも相性がよく、苦味や酸味が穏やかで「毎日飲みたいコーヒー」として幅広い層から支持を集めている。
23年春には、ドトールコーヒーのロゴを大きく配置したパッケージデザインへ刷新。ブランドの信頼感と視認性を高めたことで、店頭での回転率が上昇した。既存ファンに加え、ドトール店舗のない地域でも購入しやすい家庭用商品として新規ユーザー獲得につながった。
25年春には原料高騰を受け、「直火焙煎ドリップ」を18杯入りから15杯入りにリニューアル。コーヒー豆は3年前に比べ4倍近くに原価が上昇しており、品質保持と買いやすさの両立を優先した判断だ。消費者の節約意識が高まる一方で、コーヒーは日常的な嗜好品としての需要が堅調なカテゴリーであり、同商品の「品質と価格のバランス」が評価されている。この半年間で店頭導入率は前年比20%増と、取扱い店舗の拡大が続いている。
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