カインズ、好調のマフィン専門店を初のテイクアウト特化型&社外立地で開業のねらい
カインズ(埼玉県/高家正行社長)の飲食事業を担うカインズフードサービス(埼玉県/須田昌広社長)は4月8日、東京都府中市にマフィン専門店「CAFE BRICCO muffins(カフェブリッコ マフィンズ)府中店」(以下、マフィンズ)をオープンした。同社としては初のテイクアウト専門店で、カインズグループの店舗や商業施設以外に出店するのも今回が初めてとなる。

テイクアウト専門店に挑戦した背景とは
カインズは自社店舗の価値向上や集客を目的に、オリジナルコーヒーや手づくりマフィンを提供するカフェ「CAFE BRICCO」(以下、カフェブリッコ)を中心とする外食フォーマットの展開に力を入れている。2013年11月、千葉県印西市に「CAFE BRICCOカインズ 千葉ニュータウン店」をオープンしたのを皮切りに、同社のホームセンターあるいは自社運営の商業施設内に出店、25年3月現在約65店舗を展開する。
このカフェブリッコで看板商品となっているのがマフィンだ。15年4月に「カインズ鶴ヶ島店」(埼玉県鶴ヶ島市)で販売開始して以来、累計の販売個数は2800万個に上る。24年2月には、子会社ハンズ(東京都/桜井悟社長)が運営する「ハンズ梅田店」(大阪府大阪市)の10階に、マフィンに特化したカフェ業態の「CBマフィン ハンズ梅田店」をオープンしている。
今回オープンしたマフィンズは、カフェブリッコとして初のテイクアウト専門店となる。京王線「府中」駅から徒歩1分の商業施設「ミッテン府中・専門店街フォーリス」の1階部分に出店。店舗面積は約10坪で、イートインスペースは併設されていない。

また、カインズが運営するホームセンター、あるいは直営の商業施設以外の場所に「カフェブリッコ」を出店するのも初となる。カインズフードサービスでマーケティング・新業態開発部部長を務める中元雅也氏は、出店の経緯について「カフェ併設型の店舗では、どうしても出店場所が限られてしまうという課題があった。マフィンをより多くのお客さまに届けるには、これまで出店していなかった商業施設への進出が必要だと考え、テイクアウト専門店というかたちでの出店を決めた」と語る。
テイクアウト専門店の出店に際しては、24年秋に「北千住マルイ」(東京都足立区)にポップアップ出店し、検証を行っている。中元氏は「(ポップアップの)期間は2週間と限られていたが、何度も足を運ぶリピーターのお客さまもいた」と話す。こうした手応えを受けて、今回は常設店舗の出店に踏み切ったかたちだ。
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