ラップ&ホイル市場、節約意識の高まりで食品保存ニーズが拡大
食品保存に加え、さまざまな用途で活用されているラッピングフィルムとアルミホイルは、物価高騰による節約意識向上により、食品保存のニーズが高まり堅調に推移している。各社は活用方法の訴求を通じて需要拡大につなげている。
「サランラップ」がリニューアル、使いやすさ・切りやすさ向上
KSP-POSデータによると、ラッピングフィルムの期間通算(2024年10月~25年9月)の金額PIは、2362円で対前年同期比3.3%減、数量PIは9.11で同5.7%減となった。月別では前年割れの月が目立つものの、8月の2ケタ減以外は大きな落ち込みはみられない。

ラップ市場を牽引するのはポリ塩化ビニリデン製の商品。密着性が高く、水蒸気や酸素を通さないため、食品の乾燥や劣化を防ぎ、におい移りも抑制できる。こうした高い品質によりユーザーからの支持を集めている。市場の8割を占めるのが、旭化成ホームプロダクツの「サランラップ」と、クレハの「NEWクレラップ」。ただ、物価高の影響で低価格帯のポリエチレン製ラップへの需要シフトもみられる。
旭化成ホームプロダクツは、25年3月に「サランラップ」をリニューアル。コンセプトは「さらに使いやすく、さらに切りやすく」で、手にフィットして握りやすく、フタの開け閉めもしやすく改良。その結果、フタを開けてラップを切るまでの一連の動作がよりスムーズになった。さらにパッケージ表面に微細な凹凸加工を施すことで、滑りにくさと手になじむ質感を向上させた。
リニューアルに伴い、7月からテレビCM「さわればわかる」篇を投下。新たなCMキャラクターとしてさかなクンを起用し、従来のCMキャラクター“たぶん、クマ”とともに新しくなった「サランラップ」を訴求した。合わせて、商品特長を紹介するWEBムービーも公開している。
一方、クレハは、「ポケモンデザインパッケージ」の「NEWクレラップ」を発売。幅広い世代に支持されるポケモンのデザインの投入により、購買促進をねらう。
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