サンクゼール中間決算は増収増益 ホールセール・グローバル伸長が業績をけん引

「サンクゼール」「久世福商店」などを主力ブランドに、食品の製造・卸・小売を展開するサンクゼール(長野県)が2026年3月期の中間期決算を発表した。周辺事業であるホールセールとグローバル事業が売上を押し上げ、粗利益率も改善。同社の中間期決算の結果を詳しく見ていこう。

サンクゼール本店(長野県上水内郡)
サンクゼール本店(長野県上水内郡)

ホールセールおよびグローバル事業が堅調に推移

 サンクゼールの26年3月期中間期決算は、売上高が対前年同期比5.1%増の96億円、営業利益が同12.3%増の2億円、経常利益が同28.1%増の2億円、親会社株主に帰属する中間純利益が1億円(前年同期は純利益100万円)となった。粗利益率は35.9%と前年同期から1.3ポイント上昇。販管費の増加を吸収して営業利益が2ケタの伸びとなり、増収増益となった。

 サンクゼールは周辺事業として、国内小売企業向けのホールセール事業、海外市場で自社ブランド商品を販売するグローバル事業を展開している。上期はこの周辺事業の好調が売上の伸びに大きく寄与した。

 ホールセール事業は主要取引先での販売が回復し、売上高が同31.8%増の15億円と大幅に伸長している。商品ラインアップの拡充や顧客ニーズを捉えた商品開発が奏功した。加えて、今期は新たな取引先を開拓し、特定の取引先に依存しない収益構造をつくることで、事業リスクの分散を図り、ホールセール事業の安定的な成長を図る考えだ。

 グローバル事業も売上高が同19.7%増の12億円と大きく伸長。米国では、加工食品を製造・販売する「Bonnie’s Jams」と「KELLY’S JELLY」の事業譲受効果により売上高が同31.6%増の9億円に拡大した。台湾も同16.4%増の3億円となった。

 利益面では、原材料価格の高騰によるコスト増が続くなか、製造原価の低減やFC向け卸価格の適正化を進めたことが粗利益率の改善につながった。

 サンクゼールは今期、「久世福商店」業態で3店(直営2店、FC1店)を新規出店した一方、「サンクゼール」業態で1店(直営1店)を閉店した。また、「サンクゼール」業態の3店を「久世福商店」業態に転換。その結果、当中間期末の店舗数は直営53店、FC124店の計177店となった。

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