従業員が商品をトコトン好きになると、店の売上が上がる!?その納得の理由

「商品知識が大事」とはよく聞く話ですが、果たして皆さんはどれぐらい、商品のことを勉強していますか?実は高い商品知識を身につけて「商品愛」を語ることができれば、まったく同じ商品を売っている同業他店には提案できない高い価値を創出することができるのだと、セールスコンサルタントの成田直人さんは力説します。どういうことか、そしてどうすれば身につけることができるのかを解説してもらいます。
※本稿は成田直人著・ダイヤモンド社刊『勝手に売れ続ける最高のセールス』から一部抜粋再編集したものです。

maroke/istock
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商品を好きになると、なぜ売上が上がるのか?

 僕はPCデポに入社したのですが、はじめは全く売上実績をあげることができませんでした。しかし努力を重ねた結果、PCデポ入社から7か月で売上1億円を達成することができました。

 1億円達成の足掛かりとなった重要なことが、「商品を好きになること」だったので、そのことについて今回はお話します。

 商品知識をつけていくことで、断片的だった知識が「点から線」になるのですが、それをさらに続けていくと、「面」になっていきます。つまり部分的な知識から、横断的、ひいては網羅的な知識になったわけです。

 そんな網羅的な知識をなぜ身につけることができたかといえば、仕事のため「パソコンを好きになったから」だったんですね。

 では、具体的にはどんなことをしたのか? 

 一緒に働いていた店舗に僕の2歳下で三枝君というパソコンオタクともいえるガチで詳しい人と友達になったのですが、彼からこんな提案を受けました。

 「成田君、君の『毎日ブログ』(当時僕は、販売員としての毎日をブログに綴っていました)を見てて思ったんだけど、もっと売れるようになりたいんだったら、もっとパソコンを勉強した方が良いよ。いまも勉強してると思うんだけど、一度、イチから組み立てる経験をするとすっごくパソコンのことがわかるようになるから、一緒に組み立てようよ」

 そこで、一緒に組み立てることにしました。ハードディスクに BIOS (OSの起動や、PCと接続機器間の入出力を制御するプログラム)を設定して、OS をインストールするとかをしてパソコンができ上がるんですけど、めちゃくちゃ動きが速いですし、まあコスパ良いですよ。

 7万円ぐらいの予算で、30万円ぐらいするメーカー品と同スペックのものが作れます!余談ですが、僕がいま自宅で使っているパソコンも自分で組んだものですし、興味がある人はぜひトライしてみるといいと思います。

 自分で組んでどうだったか? やっぱり商品を自分で組み立てると、商品知識が付くだけでなく、すごくパソコンに愛着がわいて、興味が持てるようになったんですよ。これまではどちらかと言えば、仕事のためにパソコンを無理やり勉強していたんですが、自作という経験を通じて、パソコンが好きになったんですね。

 そこから、ものすごく売れるようになったのです。

「スニーカー愛」を語り、売りまくる同僚

 実際、思い返してみると、ABC マートでもきっかけは同じでした。

 ぶっちゃけた話、ABC マートに入った当初、僕は靴にそれほど興味がありませんでした。もちろん面接では、受かるために「好きです」と言いましたが。

 実際、当時の僕はコンバースとアディダスの靴しか自分で買ったことがなく、靴も2足しかもっていませんでした。

 一方、店で一緒に働いていたメンバーは、みな大体100足ぐらい靴を持っていたんですね。繰り返しますが、100足です。やばくないですか?「お前らはイメルダ夫人か*」とツッコミたくなるぐらい、僕はもうびっくりしてしまったんですね。
*ちょっと古い話で恐縮ですが、イメルダ・マルコス元大統領夫人、靴のコレクターとして有名で3000足のコレクションがあったと言われています。現フィリピン大統領のボンボン・マルコス氏の実母です

 

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