米雇用、2万2000人増=予想下回る、失業率は4.3%―8月

【ワシントン時事】米労働省が5日発表した8月の雇用統計(季節調整済み)によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数は前月比2万2000人増だった。伸びは前月(7万9000人増、改定)から縮小し、市場予想(7万5000人増)も大きく下回った。失業率は4.3%と、0.1ポイント上昇した。
米国の雇用情勢は、勢いの失速が鮮明となった。一段の鈍化を防ぐため、米連邦準備制度理事会(FRB)は16、17日の金融政策会合で6会合ぶりに利下げを決めるとの観測が一段と強まりそうだ。
8月の業種別の就業者数は、連邦政府が1万5000人減。トランプ大統領は政府機関の縮小と職員削減を進めており、政権が発足した1月からは計9万7000人減となった。トランプ氏が振興を目指す製造業は1万2000人減。過去1年では7万8000人減少した。
トランプ政権の高関税政策は「米成長を鈍化させる」(FRB高官)とみられる。関税コストの負担増に耐え切れず、企業が本格的なリストラに着手すれば、雇用はさらに悪化する恐れがある。
◇米雇用統計概要
7月 8月
失業率 4.2% 4.3%
非農業部門就業者数 7.9万人 2.2万人
民間部門 7.7万人 3.8万人
物品生産部門 ▲0.8万人 ▲2.5万人
サービス部門 8.5万人 6.3万人
政府部門 0.2万人 ▲1.6万人
労働時間(週平均) 34.2時間 34.2時間
平均時給 36.43ドル 36.53ドル
平均時給伸び 3.9% 3.7%
労働参加率 62.2% 62.3%
U6失業率 7.9% 8.1%
長期失業者(半年以上) 182.6万人 193.0万人
経済的理由でのパート勤務 468.4万人 474.9万人
【注】▲は減少。「U6失業率」は完全失業者、正社員を希望しているパート労働者、働く意欲はあるが職探しをやめた人を加味した広義の失業率。