アサヒGHDのシステム障害の影響広がる~受注・出荷の停止で飲食店にも「樽生」届かず~
アサヒグループホールディングス(アサヒGHD)がサイバー攻撃を受けて9月29日朝にシステム障害が発生し、製品の受注・出荷が停止した影響が、飲食店が取り扱う樽生ビールなどにも広がっている。
サイバー攻撃によって出荷のシステムに不具合が生じたことで、同社では同日から国内グループ各社の製品の出荷を停止。10月2日昼時点ではシステムの復旧について「目途は立っていない」(アサヒGHD)とし、影響がいつまでおよぶかその期間について不透明な状況だ。
出荷の停止は生ビール〈スーパードライ〉や樽詰めサワー〈樽ハイ倶楽部〉など広範におよんでおり、生ビール用のガスボンベの出荷も停止している。
同社では1日にごく一部で試験的に紙での受注に対応したが、2日以降の対応については未定。出荷とはシステムが別な生産自体への影響はなく通常どおりの製造が可能であるものの、出荷が停止していることで生産ラインの動きにも影響が出ているという。
品切れ時の「代替品」検討の動きも
こうした状況が同社製品を取り扱う酒販店や飲食店にも出ており、都内に本社を置く業務用酒販店の榎本酒類では「アサヒビール社の製品については在庫がある分は出すが、他のビールに代替するなどの対応をとっており、取引先飲食店には営業担当から状況の説明をしている」。
また、地域によってアサヒビールとの共同配送を実施しているキリンビールやサッポロビールでは一部エリアで若干の配送の遅れの影響が出たという。
出荷停止による飲食店への影響も出ており、居酒屋大手で「庄や」などを運営する大庄は2日昼時点で生ビール〈スーパードライ〉の入荷が止まっていることから、「在庫がなくなり次第欠品になってしまうため、その場合は他のメーカーのビールで代替することを検討する」方針。
ビールのほかに一部焼酎製品についても入荷が止まっているため、在庫が切れてしまう場合はビールと同様に代替品の使用を検討しているとする。
また、大阪に本社を置き居酒屋「八剣伝」などを広域に展開するマルシェは、「酒販店に一定程度在庫があるため2日昼時点では直接の影響は出ていないが、このまま復旧しなければ今週末頃からは当社に限らずどこも代替に乗り出すだろう。売り物がないというのは許されない。例えばビールについて〈スーパードライ〉を出している店では、代わりに他のビールメーカーの製品を扱うことがあるだろう。当社ではそういう措置を検討しているし、店頭などでしっかりとその旨を掲示してから代替販売を行うことになる」としている。
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