イオンが中間決算を発表 まいばす好調、GMSは黒字化まであと一歩に
報告セグメントすべてで増収、DS事業は投資先行で減益に
セグメント別の業績を見ていくと、主力の「GMS事業」は、営業収益が同3.6%増の1兆8186億円、営業損失は2億円だった。前年同期に続いて営業赤字となったものの、赤字幅は80億円縮小、営業黒字化まであと一歩のところまできている。
中核事業会社のイオンリテール(千葉県)の業績は、営業収益が同8.8%増の9955億円と伸長したものの、営業損失36億円を計上。しかし同社の赤字幅も前年同期から45億円縮小している。既存店の活性化による収益性改善、カンパニー再編に伴う人員再配置による効率化などが奏功。非食品セルフレジの導入やAIオーダーの対象拡大などによる人時生産性向上も利益改善に貢献した。
食品スーパーのほかミニストップ(千葉県)などを含む「SM事業」は、営業収益が同3.2%増の1兆5447億円、営業利益が同28.0%増の129億円と、増収・2ケタの営業増益。とくに好調だったのがまいばすけっと(神奈川県)で、上期の既存店売上高は同6.5%増、営業利益は前年同期から9億円増となった。上期期末の店舗数は1262店舗に達している。
ドラッグストアを中心とする「ヘルス&ウエルネス事業」も、営業収益が同3.7%増の6819億円、営業利益が同22.8%増の227億円とこちらも増収、2ケタの営業増益となっている。「DS事業」は、営業収益が同6.3%増の2170億円、営業利益が同7.5%減の36億円と増収・営業減益。イオンビッグ(愛知県)は増収・営業増益となったものの、ビッグ・エー(東京都)が店舗活性化をはじめとした成長投資が先行したことで増収・営業減益となった。下期以降は投資効果が発揮されるほか、PB拡販、マテハンの改善などを通じて増益を確保するとしている。
そのほか、「総合金融事業」と「国際事業」が増収・営業減益、「ディベロッパー事業」と「サービス・専門店事業」が増収・営業増益となっている。
上期の好調を受け、イオンは下期以降も引き続き、PBを中心とする価格戦略、DXによる生産性向上、経費構造改革を加速させていく構え。通期の業績予想は期初から据え置き、営業収益が対前期比3.6%増の10兆5000億円、営業利益が同13.6%増の2700億円、経常利益が同11.5%増の2500億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同47.2%増の400億円を見込む。なお、この数値は経営統合による連結子会社化、完全子会社化の影響は織り込んでいない。
ページ: 1 2