イオンが中間決算を発表 まいばす好調、GMSは黒字化まであと一歩に

10月14日、イオン(千葉県)が2026年2月期の中間決算を発表した。25年7月に連結子会社だったイオンモール(千葉県)とイオンディライト(東京都)を完全子会社化したイオン。25年12月にはツルハホールディングス(北海道)とウエルシアホールディングス(東京都)の経営統合、26年3月にはユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都)、ダイエー(東京都)など首都圏・近畿圏の食品スーパーの経営統合を予定するなど、この先も傘下企業の大型再編が続く。上期の決算はどのような結果だったのだろうか。

好調トップバリュ、売上2ケタ伸長

 「日経平均株価が過去最高を更新し、GDPが上振れし個人消費が底堅いと報道されているが、実体経済はそのようなフェーズには至っていない。消費者はやむを得ず値上げを看過している状況だ」

 イオン吉田昭夫社長は上期決算説明会の席上で、足元の消費環境についてこのような分析を示した。

 吉田社長は続ける。「節約志向は強く、今年のお盆の帰省も『安・近・短』で済ませる方が多くいた。その一方で、『推し活』に代表されるように余暇に対する消費も根強く、不安やストレスから解放されたいという思いで消費される方も多くいる」

 いわゆる消費の二極化が依然進行する中、イオンの2026年2月期第2四半期決算は、営業収益が対前年同期比3.8%増の5暢1899億円、営業利益が同19.8%増の1181億円、経常利益が同18.5%増の1064億円、親会社株主に帰属する中間利益が同9.1%増の40億円となった。中間決算としての営業収益は5期連続、営業利益は2期ぶりに過去最高を更新した。第1四半期は最終赤字となったものの、中間期では黒字転換を果たしている。

 売上・利益の伸びに大きく寄与したのが、プライベートブランド(PB)「トップバリュ」の好調だ。上期は価格訴求型ブランドの「トップバリュ ベストプライス」を中心にPBの拡販を強化、460品目をリニューアルしたほか、値下げを1回、増量企画を2回実施した。結果、上期のグループ累計のトップバリュ売上高は前年同期から11.7%増。売上伸長、粗利益率の改善に大きく貢献した。イオングループでは10月1日以降もトップバリュ60品目を値下げしており、下期もPB売上高は大きく伸長するとみられる。

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