薬王堂HD、上期は増収増益 新商勢圏・北関東での手応えと今後の戦略は

関東エリアは「早期のドミナント化」をめざす

 上期に関東進出を果たした薬王堂HD。その号砲となった栃木県では、25年4月に1店舗目の「黒磯鍋掛店」をオープン以降、黒磯エリアに計4店舗出店してドミナントを形成したほか、8月には「鹿沼花岡店」(鹿沼市)を開店し、上期中に5店舗体制を築いた。下期も出店は着々と進んでおり、9月に「矢板鹿島店」(矢板市)、「日光荊沢店」(日光市)をオープンしている。また関東2県目となる茨城県では6月に「日立大沼店」(日立市)を出店したが、それ以降、県内での新たな出店は今のところない。

薬王堂黒磯鍋掛店外観
25年4月にオープンした栃木1号店「黒磯鍋掛店」
薬王堂日立大沼店外観
25年6月オープンの茨城1号店「日立大沼店」

 薬王堂HDは関東進出に伴い、コスモス薬品(福岡県/横山英昭社長)など新たな競合と対峙することとなった。西郷社長は競合との戦い方について「黒磯の店舗はドミナントによる相乗効果で売上が上がっている。ドミナント戦略が粗利益率を削らずに売上高を上げていける方法だと東北の店舗で実感していたが、関東でもやはりそうだと感じた。できるだけ早く出店し、ドミナント構築により認知度を向上させていくことを重要視している」と話した。

 薬王堂HDは今期の出店について、当初70店舗の新規出店を予定していたが、先述の建築・自治体の承認遅れなどによる期ずれが発生するとし、うち15店舗が来期のオープンになるとしている。そのため、今期の新規出店は55店舗、来期は当初の80店舗から95店舗の出店に上方修正している。

 西郷氏は「遅れた15店舗についてはすでに建設・商品の目途が立っている。(27年2月期の新規出店計画数の)95店舗という数字はリスクを伴うが、出店しないことのほうがリスクだと考えている。大手企業の出店にブレーキがかかっている今はむしろチャンス。5年で450店舗出店というボリュームは変えないでいきたい」と攻めの姿勢を見せた。なお、新規出店の計画数は減っているものの、通期業績予想については期首発表から据え置いた。

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