イオンリテール最古の店舗を戦略的小型店に転換!「イオンスタイル東山二条」の売場を速報

イオンリテール(千葉県/古澤康之社長)は2025年10月14日、京都市左京区に「イオンスタイル東山二条」をオープンした。21年9月まで半世紀超にわたって地域に親しまれた「イオン東山二条店」の建て替え店だ。「京町スーパーマーケット」をコンセプトに、必需品だけでなくこだわり商品も扱う、戦略フォーマットと位置付ける。

 店舗が立地するのは、京阪本線「三条」駅と「神宮丸太町」駅、京都市営地下鉄「三条京阪」駅から徒歩10分圏内、京都市内を走る主要道である三条通からも近い都心部に隣接するエリアだ。周辺は平安神宮をはじめとする寺社、美術館、動物園、大学が集積する文教地区「岡崎」に位置する。

 商圏特性に目を向けると、半径1km圏には約2万7000人、約1万6000世帯が居住。とくに店舗が基本商圏とする半径500m圏内では、単身世帯の割合が京都市内平均を1割以上も上回る65%超を占める。京都大学を中心とした学生が多く、20〜40代、さらに70代以上の高齢単身世帯が目立つ。

 イオンスタイル東山二条の前身店舗は、1968年に「シロ」の屋号で開業した。「シロ」はイオン(千葉県/吉田昭夫社長)の源流となった企業の一つで、同店は建て替えによる一時休業前までは、全国のイオンリテール店舗の中でもっとも古い歴史を誇る店だった。

 オープンの挨拶に立った齊藤洋一店長は、「この地で、皆様と一緒に30年、40年、50年と親しまれるような店をつくっていきたい」と意気込みを述べた。なお同店は、京都市左京区では「イオンスタイル修学院小町」に続く、小商圏型を志向する戦略フォーマットとなる。

生鮮3品と総菜を強化 小型店ながら店内調理も実施

 イオンスタイル東山二条の売場面積は909㎡。小型店の位置づけで、間口が狭く、奥に長い京都らしい「うなぎの寝床」状のつくりだ。とくに強化しているのは生鮮食品。青果、鮮魚、精肉の3部門と総菜を強化部門とし、これらの売上高構成比50%以上の計画を立てている。

 速報となる本稿では、まず鮮魚部門に注目したい。対面コーナーを導入、京都市中央卸売市場からの直送に加え、京都舞鶴漁港で水揚げされた鮮度の高い丸魚を豊富に扱う。

対面コーナーを導入、鮮度の高い丸魚を豊富に扱う鮮魚売場

 一方、「簡便」「即食」ニーズにも対応。フライパンなどで加熱調理すればすぐに食卓に出せる、味付け済みの半調理品が多く見られた。主通路に近い大型の冷蔵平台では「塩銀鮭の西京漬」「塩さわらの西京漬」(各500円:以下税別)などが並んでいた。さらに生ネタを使用した「魚屋のにぎり鮨」(9貫入り880円)のほか、焼き魚を集めた魚総菜コーナーを特設していた。

「塩銀鮭の西京漬」(税抜き500円)、「塩さわらの西京漬」(同)など、フライパンなどで加熱調理すればすぐに食卓に出せる、味付け済みの半調理品を充実

 総菜も強化部門の一つだ。売上高構成比は16.5%を計画、イオンスタイルの同規模点における標準的な水準(12〜13%)と比較し、約4ポイント高い計画を立てている。

総菜も強化部門のひとつ。昼食・夕食需要に応えるため、多様な弁当を揃える
小型店ながら店内調理の商品に力を入れる。写真は「店内手作り出汁巻き玉子&おつまみチキン 塩」(税抜き398円)

 米飯類では「豚生姜焼き弁当」(458円)、「直火炙りチキンステーキ弁当」(498円)など、多様な品揃えで、昼食・夕食需要に応える。また直径約19cmの本格窯焼きピザを4種類ラインアップし、若年層のニーズにも応える。

 これらの品揃え、売場づくりで地元客の支持をねらう。観光地にも近い立地を生かし、インバウンドを含む観光客の取り込みも、売り上げ拡大のキーとなりそうだ。

 

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