サンエー、26年2月期中間決算を発表 26年2月に3年半ぶりの新規出店へ

沖縄県で総合スーパーや食品スーパーなどを展開するサンエー(豊田沢社長)は1017日、20262月期第2四半期の決算を発表した。観光需要の回復や子会社の好調が寄与し増収となったものの、家電の売上不振などが粗利益額に影響し減益となった。下期は久々の新規出店を控えるなど、事業基盤のさらなる強化に取り組む。

サンエーの豊田沢社長

観光客数増加で増収も、家電の販売不振などが利益面に影響

 サンエーの262月期中間連結業績は、営業収益が対前年同期比1.3%増の1222億円、営業利益が同5.1%減の87億円、経常利益が同3.5%減の91億円、中間純利益が同1.0%減の58億円で増収減益となった。

 売上面では、県内を訪れる観光客数が前年同期を上回って推移したことに加え、とくに子会社サンエーパルコ(沖縄県/上地文勝社長)がインバウンド需要を取り込んだことで大きく伸長した。一方で、前年に実施された沖縄県の省エネ家電買い替えキャンペーンの反動により、家電の売上は苦戦。また、旧暦行事(お盆)の時期のずれ(24年:81618日、25年:946日)などで粗利益額が減少し、減益となった。

262月に食品+ドラッグストアの複合店をオープン

 サンエーは現在、沖縄県内で78店舗を展開している。今後の出店戦略として石垣市では、老朽化した「石垣シティ」を建て替え、256月に新店舗をオープン。さらに262月に食品館とドラッグストアの複合店「サンエー銘苅(めかり)店」(沖縄県那覇市)の新規オープンを予定。地域密着型の品揃えと利便性を高め、さらなる顧客層の拡大をねらう。

 一方で開業から40年を迎えた「マチナトシティ」(沖縄県浦添市)は、2510月末に閉店する予定だ。閉店の理由について豊田社長は、「近隣で自社競合が激化し、とくに一番店である『那覇メインプレイス』(沖縄県那覇市)開業以降は同店への顧客流出が進み、マチナトシティの営業環境が厳しくなった」と話す。

サンエーパルコが好調に推移

 子会社のサンエーパルコはコロナ禍を経て、地元客、観光客ともに来店客数が増加している。アニメやキャラクターとのコラボレーションによる独自の販促施策も奏功し、サンエーパルコの売上高は対前年同期比約20%増と好調に推移している。

 そのほか262月期の上期の取り組みとして、任天堂関連商品の販売を強化しており、沖縄県浦添市の大型商業施設「サンエー浦添西海岸PARCO CITY」に同社商品を扱う専門店をオープンした。また、スープ専門店「Soup Stock Tokyo」を展開するスープストックトーキョー(東京都/工藤萌社長)とフランチャイズ契約を締結。同施設内に県内初出店を果たした。

 豊田社長は「新規テナントの出店により、県内でも最も魅力ある商業施設として認知が進んでいる」と自信をのぞかせる。

 262月期通期の業績予想は、営業収益が対前年比4.5%増の2478億円、営業利益が同1.8%増172億円、経常利益が同1.9%増177億円と増収増益を見込む。

Previous Post