「LINE WORKSラジャー」で加速する コミュニケーション起点の店舗業務DX

小売業界では人手不足が慢性化している。そのため店舗で働く従業員は少人数でのオペレーションを余儀なくされ、作業負荷の増大が続く。店舗業務を効率的に運営するためには、迅速なコミュニケーションや確実な情報共有が欠かせないが、従来のシステムやトランシーバーなどのツールの課題も見えてきた。LINE WORKSはこうした課題を解決するため、2025年2月にスマホを活用したトランシーバーアプリ「LINE WORKSラジャー」の提供を開始。小売業を中心にサービス提供開始から2週間強ですでに500社以上に導入され、活用が進んでいる。

スマホを活用したコミュニケーションツール
トランシーバーの課題を解決し店舗運営業務を効率化

 ビジネスに便利なビジネスコミュニケーションツール「LINE WORKS」や各種AIソリューションを提供するLINE WORKSは、スマホを活用したトランシーバーアプリ「LINE WORKSラジャー」の提供を開始し、小売業を中心に大きな反響が寄せられている。

 「2024年4月にLINEのAIカンパニーとLINE WORKSが経営統合しました。『LINE WORKS』は52万社(2025年1月時点)の顧客基盤があり、ビジネスチャットの分野では圧倒的に強いポジションにあります。『LINE WORKS』にAIカンパニーの音声AIの技術を組み込んだら新しいビジネスができないかと考えて開発したのがトランシーバーアプリの『LINE WORKSラジャー』でした」と、「LINE WORKSラジャー」事業責任者の小田切悠将氏は語る。

LINE WORKSラジャー事業責任者の小田切悠将氏
LINE WORKSラジャー事業責任者の小田切悠将氏

 「これまで小売業の現場では、従業員のコミュニケーションにトランシーバーが採用されてきましたが、トランシーバーを持っていない本社や倉庫とのやり取りには外線電話・内線電話といった別のコミュニケーション手段が必要になっていました。そのため、コミュニケーションの伝言ゲーム化に拍車がかかったり、情報を受け取れる人が限定されることから、情報格差が生じてしまうこともよくあると聞いています。さらにトランシーバーは電波の届く距離に制限があるため、売場面積が広い大型店や複数階に跨る商業施設では電波が届かないという問題が発生していました。店舗の構造など電波環境によってはノイズが入ることもあり、クリアな音声で会話ができないため意思疎通が不十分になり、聞き逃しや聞き間違えが起きるといったことも発生していました。また、トランシーバーが故障して、新たに購入するのに手間がかかるなどの課題もありました」(小田切氏)

 「LINE WORKSラジャー」は、そうした従来のトランシーバーでは解決が難しかった「遠隔地とのリアルタイム連携」「聞き逃しの防止」「機器管理負担の軽減」といった課題を解決し、現場における確実な意思伝達と、よりスムーズなコミュニケーションを成立させることで、店舗運営業務の効率化と現場力向上の実現を支援する。

 「LINE WORKSラジャー」の特徴は、お互いの距離が遠くても、建物の中でも、フロアを跨いでも、インターネットにつながれば会話が可能なことだ。店舗内はもとより、店舗と店舗、店舗と倉庫、店舗と本社、店舗とエリアマネージャーなど、異なる拠点間でのリアルタイムのコミュニケーションで、迅速な連絡や指示伝達、情報共有が行える。さらに、難しい操作はなく、シンプルでわかりやすい画面デザインのため、誰でもすぐに使える点はパート・アルバイトの多い小売業の現場に適している。専用のトランシーバーは、管理やメンテナンスが必要であったり、故障時にその都度、トランシーバーを発注する手間が生じるが、「LINE WORKSラジャー」はスマホがあれば開始でき、管理・設定もすべてスマホ上で完結できるため、すぐに現場で使える点も大きなメリットだ。

LINE WORKSとLINE WORKS ラジャーで実現する新しいコミュニケーションの形

音声AIで会話は即座にテキスト化され自動表示

 さらに、現場で他の作業中に指示を聞き逃してしまっても、発言内容は文字でトークルームに残る機能を搭載しているため、時刻と共に簡単に再確認することができる。この会話が自動的に文字起こしされてテキスト化、チャット画面に自動的に表示される仕組みは最先端の音声AI技術に支えられている。

 「世界のAIはいろいろな言語を大量に集めて学習させていますが、英語対応が中心になっています。われわれは最初から日本語の音声データを集めてAIに学習させ、実際に人間が聞いた文字起こしをセットにして学習させていますので、日本語の文字起こしの精度が圧倒的に高いと言えます」(小田切氏)

 「えー」とか「あー」といった言い淀みは会話中には気にならないが、テキスト化する際には不要になる。「LINE WORKSラジャー」であれば、読みやすいようにこうした言い淀みを除去してくれるのも特長だ。

 実際にデモで「LINE WORKSラジャー」で会話をしてみたところ、終話した瞬間に文字起こしされ、チャット画面に正確に表示された。音声AI技術による認識精度が高いことがうかがえる。

「LINE WORKS」と連携
店舗と本部間のコミュニケーションを円滑化

 「LINE WORKSラジャー」は「LINE WORKS」のチャット機能と連携して、場所や状況に応じてシームレスなコミュニケーションを実現できる点も特長だ。「LINE WORKSラジャー」で店舗から本部に「音声」で伝えた内容は即座に「文字」に変換され「LINE WORKS」のチャットに反映されるため、正確に内容を把握できる。本部から「LINE WORKS」のチャットで送られた「文字」は「LINE WORKSラジャー」で「声」として再生されるため、従業員が手の離せない作業中でも送られてきた内容を容易に確認することができる。

 「従来型のトランシーバーは一部の人しか使えなかったり、距離の制約の問題がありました。IPトランシーバーへの移行が進んで距離の制約がなくなりつつありますが、高額な専用端末が必要で、持ち歩かなければならないという課題がありました。スマホだけでインターネットがつながればどこでも利用可能な『LINE WORKSラジャー』は、『LINE WORKS』と連携できるので、同じ企業で働く全員がコミュニケーションの輪の中に入ることができる点が強みです」(小田切氏)

声と文字の変換について

 「LINE WORKSラジャー」はスマホアプリであるため、スマホのマイクやスピーカー単体で直接受信・送信もできるが、小売業の現場では作業をしている場合も多いことから、スマホに接続できるイヤホンマイクを利用するケースが多くなるだろう。通常のイヤホンマイクを使用する場合には、発話ボタン対応していないため、聞き取り専用かアプリ上のボタンを押して発話する。動作確認済みの無線イヤホンマイクについては、LINE WORKSラジャーの製品紹介ページを参照してほしい。また、有線のイヤホンマイクはマイクボタンがついていれは、100円ショップで売られているイヤホンマイクでも発話が可能だ。

 「LINE WORKSラジャー」は職場や店舗の現場に応じてチャネル名の設定が可能で、メンバーは業務の開始時には、参加するチャネルをすぐに確認することができる。管理者はスマホ上で、各チャネルメンバーへのライセンスの割り当てやメンバーの追加・削除も可能。「LINE WORKS」と管理者画面が共通のため、メンバーの管理やラジャーライセンスの購入も一元管理することができる機能も備わっている。

業務効率化と顧客満足度向上を実現

 「LINE WORKSラジャー」を活用することで、流通小売業におけるコミュニケーションの課題がどのように解決されるのか見てみよう。例えば、4階建ての商業施設の4階の売場でお客さまから、探している商品の売場について聞かれ、その商品が1階の売場で展開されている場合、インカム・トランシーバーで確認できないため、内線電話で確認する手間が発生する。さらに、商品が欠品していて売場に並んでいなければ、今度は電話で本社の商品部に確認し、本社の担当者は電話で倉庫の担当者に商品の在庫状況と出荷日を確認しなければならない。そして、店舗の担当者へ電話で納品日を伝えるやり取りが発生する。インカム・トランシーバーや内線電話、電話など、コミュニケーションツールが乱立して「言った・言わない」問題や伝言ゲームが発生し、音声だけのやり取りのため、本来の作業が中断されるなど、業務効率化の妨げになってしまう。

 「LINE WORKSラジャー」と「LINE WORKS」を連携させてコミュニケーションを行えば、フロアや建物が異なっていても、距離が離れていても即座に連絡や確認、情報共有ができ、会話の文字起こし機能で振り返りもできるため、間違いが起きない。その結果、スピーディーな接客で顧客満足度も向上するとともに従業員のストレスも軽減され、業務効率も向上させることが可能になる。

会話の文字起こしの精度に高い評価

 「LINE WORKSラジャー」は発売して2週間強で500社以上の企業で採用されている。小売業を中心に「LINE WORKS」をすでに導入している企業のほか、飲食店や介護施設、病院、建設現場など、幅広い業種で採用されている。

 「3月に開催された『リテールテックJAPAN2025』に出展し、数多くの流通小売業関係者がブースに来られました。スーパーマーケットやホームセンター、家具・インテリア専門店など、売場面積の広い大型店をチェーン展開されている企業の方の関心が高かったです。トランシーバーで発生する通信範囲の問題を克服できることに加え、会話の文字起こしの精度に高い評価をいただきました」(小田切氏)

 LINE WORKSラジャーは1ヶ月間の無償トライアルがあるため、気になった方はぜひ試してみてほしい。実際に触ってみると、各店舗での活用イメージが湧いてくるはずだ。

スマホを活用したトランシーバーアプリ「LINE WORKSラジャー」について詳しくはこちら

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