インストア加工比率5割超!イオンリテールの新たな畜産売場「MEAT PARK」をレポート

インストア加工率を5割に引き上げ!

 ミートパークで特筆すべきは、既存店で2~3割であるインストア加工比率を5割超に拡大し、鮮度を打ち出している点だ。商品提案も柔軟に行えるようになった。たとえば、トンテキ肉は鶴見緑地店での好評を受け、骨付き肉や厚切り肉、味付け肉などを新たに揃えた。イオンリテール食品本部畜産商品部長の釼持彰氏は「お客さまの要望をくみ取り柔軟に商品を提案できるのはインストア加工の強みだ」と話す。

 一方で、プロセスセンターの高度な技術を用いた商品も展開している。しゃぶしゃぶ用の超薄切り肉は、一般的に 1.8㎜前後が主流だが、同社が持つプロセスセンターの高度なスライス技術により、1.2〜1.3㎜という薄さを実現。薄くスライスすることにより、ゆで上げた際にふわっと柔らかく仕上がるという。

 イオンリテール食品本部畜産商品部長の釼持彰氏は「イオンが持つ高いプロセスセンター技術と、インストア加工の強みを掛け合わせる」と話す。プロセスセンターかインストアのいずれを活用するかは、商品の特性や作業効率を見極めながら、柔軟に使い分けていく。

 イオンリテールは、伊丹店の「ミートパーク」を西日本カンパニーの精肉部門における旗艦店舗として位置づけている。売れ行きのよい商品や好評だった売場の取り組みは、全国の店舗へ順次水平展開する。さらに、加工・接客・販促を実地で学ぶ教育拠点としても活用する。若手社員を中心に配属し、現場で得た知見を既存店の運営に生かす方針だ。

 今後は「北関東・新潟」「南関東」「中部」の各カンパニーにも、それぞれ1店舗ずつ精肉の旗艦店として同モデルを導入。各カンパニーの旗艦店を基点に、売場づくりの知見を水平展開し、精肉部門全体の競争力強化を図っていく。

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