森永乳業、現役世代の朝食に関する調査結果を発表 “タイパ重視”で簡素化・1品化が進行、栄養不安も顕著に

森永乳業(東京都)は11月6日、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)に居住する20〜60代の現役世代を対象に「朝食の喫食実態と意識」に関する調査を実施し、その結果を発表した。
昨今の“出社回帰”により朝の時間が圧迫され、朝食で「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する傾向が強まる一方、簡素化や「1品化」が進み、栄養への不安が高まっている実態が明らかになった。
調査では、現役世代の70.4%が「朝食にタイパを重視している」と回答。特に「出社頻度が増えた」とする出社回帰層では83.9%に達した。

朝食準備の所要時間でも「10分未満」が53.6%、「15分未満」では78.2%となり、限られた朝の時間で効率よく食事を済ませたいという意識が広がっていることが示された。
「タイパ」重視の一方、現役世代の78.8%が「朝食を簡素に済ませることがある」と回答し、出社回帰層では86.9%に上った。

簡素化の理由は「忙しくて時間がないから」(57.0%)、「調理や準備が面倒だから」(39.9%)、「朝に火や油を使いたくないから」(24.5%)が上位を占めた。食事内容にも影響が及んでおり、全体の54.8%が「主食や主菜など1品のみ」で朝食を済ませると回答した。特に「主食のみ」が39.8%を占め、そのうち「パンのみ」が50.7%と最多だった。
こうした簡素化の進行により、朝食の栄養に不安を抱える人は全体の65.6%にのぼり、20代では81.2%、30代では70.3%と若年層ほど懸念が強い傾向がみられた。出社回帰層でも82.5%が栄養不足への不安を感じている。

さらに、朝食でタイパを重視する層では、8割以上が「たんぱく質」および「カルシウム」の重要性を認識している一方で、約半数が「十分に摂取できていない」と回答(たんぱく質51.5%、カルシウム48.2%)。
不足の理由としては「忙しくて食事や調理の時間がないから」(40.7%)、「主食中心で主菜が不足しがちだから」(33.6%)に加え、「何を食べればたんぱく質を摂れるかよく分からないから」(28.2%)など、知識不足も課題として挙げられた。
今回の調査により、出社回帰を背景に朝食のタイパ意識が高まる一方、時短志向に偏った結果として簡素化・1品化が進み、栄養不足への不安が広がっている現状が明らかになった。特に、朝食のタイパを重視する層では「たんぱく質」と「カルシウム」の重要性を認識しながらも、十分に栄養を摂れていないと感じている人が多いことが示された。
<調査概要>
調査タイトル: 現役世代の朝食の喫食実態と意識に関する調査
調査対象: 東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県に居住する20代~60代男女
有効回答数:1075サンプル
調査期間: 2025年9月5日~2025年9月10日
調査方法: インターネットリサーチ