P&Gジャパン、革新と共創で未来を切り開く新・中期経営ビジョンを発表

シニアと単身男性層に注目、新たに台頭する消費者ニーズ

シニア層や単身男性層に向け、今期注力する「アリエールジェルボール」「アリエールMiRAi」、「レノア煮沸レベル消臭抗菌ビーズ MEN」「ジレット フュージョンボディ」「オーラルB」「SK-Ⅱ 金継ぎ」
シニア層や単身男性層に向け、今期注力する「アリエールジェルボール」「アリエールMiRAi」、「レノア煮沸レベル消臭抗菌ビーズ MEN」「ジレット フュージョンボディ」「オーラルB」「SK-Ⅱ 金継ぎ」

 2025年7月より始動する新・中期ビジョン「JAPAN 2X30」は、2030年を見据えた人口動態と社会課題を起点に構築された。少子高齢化、単身世帯の増加、労働力不足といった構造的変化に対し、「頂を超え、地平を拓く(Beyond Peaks,Expand Horizon)」というスローガンのもと、①製品イノベーション、②業界価値の創造、③デジタル活用、④人材育成の4領域を柱に据える。

 製品イノベーションにおいては、シニア層と単身男性層を新たな重点ターゲットと位置づけ、生活者の変化に即した商品設計を加速。シニア層向けに人気の製品例として、口腔ケアに貢献する電動歯ブラシ「オーラルB」やエイジングサインの悩みに対応する「SK-II 金継ぎ」、ユニバーサルデザインを採用した洗剤「アリエールMiRAi」など、機能性と使いやすさを両立した製品を紹介した。

 一方、単身男性向けの人気製品として、ボディグルーミング用の「ジレット フュージョンボディ」、高い洗浄力と簡便性を備えた「アリエールジェルボール」、消臭・香り付け機能を持つ「レノア煮沸レベル消臭抗菌ビーズ MEN」などを紹介。清潔感や効率性を重視するニーズに応えることで、新たな市場創出を狙う。

 業界価値の創造についてはこれまでも流通パートナーとのジョイント・ビジネス・プランを推進し、人口減少下でも市場拡大をめざしてきた。今後はデータ活用の強化によって棚割り・販促設計をさらに最適化し、AIを活用した需要予測や画像解析の精度向上を図ることで、欠品の最小化と売上の最大化を図っていく。さらに、共同配送や精度の高い需要予測など、サプライチェーン全体の効率化と利益構造の強化にも注力し、業界全体の持続的成長に貢献する。

 デジタル活用については2030年までに、新たにサプライチェーン全体をつなぐデータ統合基盤を構築し、AIによってムリ・ムダ・ムラを最小化し、業界の利益構造を強化する。最後に人材育成についてはグローバル人材を育成するための研修制度をさらに強化。自社だけでなく業界全体の成長に貢献できる人材育成をめざす。

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