明治×東武ストア「大袋チョコ」セット陳列が価格訴求なしで成果を出せた理由
東武ストアは電鉄系スーパーという特性上、駅前立地が多く、通勤・通学客や主婦、高齢者など幅広い層が来店。価格訴求よりも新商品の展開に力を入れている。また子育て世代へのアプローチを強化しており、各カテゴリーで施策を展開している。
直近のチョコレートカテゴリーの棚割りは店舗オペレーションの効率化を重視し、SKU数を大幅に削減。特に大袋商品は整理するなど、無理にSKU数を増やしていた部分を是正し、より合理的な棚割りを実施している。
今回の実証実験は2025年9月16日~9月30日の15日間で行い、その前週にあたる9月1日~9月15日の15日間のPOSと比較する。対象商品は明治のビッグパックシリーズ「ミルクチョコレート」「アーモンド」「マカダミア」の3種。実験店舗は、東武ストアの「竹ノ塚店」「新船橋店」の2店舗をチョイスした。
大袋チョコレート6尺7段パターンの竹ノ塚店では明治のビッグパック3品を棚1枚で陳列し、バンドル販売(1個498円/2個980円)を実施。一方、新船橋店ではビッグパック3品を棚1枚で陳列し、売価535円で展開した。

今回の実験はエンドや催事売場での展開ではなく定番棚での展開となる。明治では視認性を高めるための販促ツールとして「楽しみ方いろいろ 大容量 シェア 個包装」と書かれた仕切りPOPを用意した。
バンドル販売で数量・金額ともに大きく貢献
ここから実証実験の結果を見ていく。9月後半は前半と比べ気温が低く、チョコレート全体の購入率が上がったことを受け、前半・後半の単純な数字比較ではなく、伸長率による評価を行った。まず6尺7段パターンの大袋チョコレートカテゴリーの金額ベースの伸長率は、全店で121.8%、テスト店舗は138.2%の伸長となった。
その内、ビッグパック3品の金額ベース伸長率は、全店で164.9%、テスト店舗は434.7%の伸長となっており、2店舗の寄与度は16.5%と高い成果を示した【図表❷】。特にバンドル販売を行った「竹ノ塚店」は数量・金額ともに「新船橋店」の数字を大きく上回る結果を出しており、バンドル販売に効果があることが判った。
