ワタミ、26年3月期中間決算を発表 通期で増収増益の着地を見込む
宅食事業は戦略転換と新商品展開へ
主力事業のセグメント別業績は次の通りだ。
国内外食事業の売上高は対前年同期比11.0%増の180億円、営業利益は同26.9%増の8億円だった。
焼肉業態やオリーブチキン業態が増益に寄与し、居酒屋・焼肉・TGIフライデーズ業態の既存店売上高が6カ月連続で前年同期を上回る好調な推移を見せた。焼肉業態の好調の要因としては、値上げを実施しなかったことに加え、新たに導入した寿司カテゴリーが集客に寄与した点が挙げられる。
宅食事業の売上高は対前年同期比0.9%減の199億円、営業利益は同11.2%減の20億円だった。在宅需要の減少により商品供給数が前年を下回ったことに加え、今期上期は価格改定を見送ったうえで新商品の投入に伴う広告宣伝費を増加させたことが減益の主因となった。23、24年度は、値上げによって食数を抑えつつ粗利を確保する「減収増益型」の構造であったが、将来的な成長を見据え、食数拡大を重視する戦略へと転換している。

一方、冷凍食品の販売は好調に推移しており、売上高は同37%増と大きく伸長した。ボリューム感を重視した「満足ディッシュ」シリーズが好評を博しており、さらなる拡大を見込む。渡邉会長兼社長は、「大手コンビニエンスストアと競合する領域だが、勝負できる品質と価格に仕上がっている」と自信を示した。
26年3月期は、冷凍食品をはじめ弁当や総菜を含めた累計販売数を前年度の24万食から28万食へと増やすことをめざす。
海外事業の売上高は同0.5%減の52億円、営業利益は同61.9%減の3500万円だった。期中は7店舗の新規出店と1店舗の退店を行い、店舗数は76店舗となった。新規出店とM&A(合併・買収)を駆使し来期中の100店舗出店をめざす。
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