速報!バロー関東1号店「横浜下永谷店」 オープン日の模様を徹底レポート

D・Sを体現する大迫力の売場

 売場を見ていこう。下永谷店の売場は、バローが近年力を入れるD・Sを体現したものとなっている。居抜き出店であるため、「理想的な売場配置ではない」(小池社長)とのことだが、バローがこれまで中部・関西のD・Sで育成してきた商品政策(MD)を随所に導入している。

 まずは導入部の青果売場。直近の新店・改装店で導入している売場と連動した作業場は設けていないものの、壁面にガラス張りのオープンキッチンを設け、D・Sの核商品の1つでもある店内製造のフルーツデザートを売り込んでいる。関東進出にあたって新商品も導入しており、「ロールケーキ」「生フルーツコッペ」「スクエアケーキ」の3商品を新たに投入していた。

フルーツデザートの新商品「生フルーツコッペ」。コッペパンに果物を贅沢に挟んでいる

 そのほか平台はオープン日ということもあり“臨戦態勢”で、どのコーナーも商品を山積みに陳列。徹底的に価格を打ち出していた。

 続く鮮魚売場では、平場のスペースで丸物を大量に並べ、鮮度感と「魚屋」の専門性をアピールする。長崎県産「石垣鯛」(1尾1500円:以下すべて税抜価格)、北海道産「なめたかれい」(同3500円)などをトロ箱に並べ、中央では石川県産の「加能かに」「せこかに」を山のように積み上げていた。

とくに人だかりができていたのが鮮魚。中央で石川県産のカニを山のように積み上げている
3店舗目の導入となった貝類の生簀

 壁面のコーナーでは貝類を豊富に揃えた生簀を設置。貝類の生簀は「稲沢平和店」(愛知県稲沢市)、「多治見店」(岐阜県多治見市)に続く3店舗目の導入だという。フルーツデザートと並ぶD・Sの核商品の1つ、厚切りのネタが特徴の鮮魚寿司も壁面を使って大きく展開していた。

 精肉では、オープン記念で黒毛和牛の半額セールを実施。インストア加工だけでなく、バローの「静岡PC」から供給した商品も多い。ガラス張りの対面スペースでヒレやサーロイン、肩ロースのブロックをディスプレーに並べるなど、専門性の高さをアピールする売場演出もみられた。

精肉売場では、ガラス張りの対面スペースでブロック肉をディスプレ-

 総菜売場は、厨房との仕切りを設けずライブ感ある売場としている。オープン時はバローの名物商品の1つ、飛騨牛コロッケの100円セールを実施しており、大きな平台を1周するほどの行列ができていた。同じく壁面では、店内炊飯で毎日提供するという炊き込みご飯を販売。オープン日はかしわめし関連の商品を複数ラインアップしていた。

記念セールの飛騨牛コロッケは対面売場で販売。売場内に長蛇の列ができていた

 そのほか「98円パン」を提供するインストアベーカリーなど下永谷店の見どころの詳細は、12月15日発売の『ダイヤモンド・チェーンストア12月15日-1月1日合併号』でお届けする。

 小池社長は下永谷店の年商目標について明言することは避けたものの、「50億(円)くらいはいってほしい」とし、「今日(オープン日)は4000万円はいきたい」と話す。今後の関東出店については、「この下永谷店を孤立させてはいけない。10店くらいは出さないと“面”としての戦いはできないだろう。現在は片手(5店舗)くらいはほぼいけるなというところまで来ている」と話す。関東2号店の出店は最速でも来春以降になるという。

 「関東500億円構想」実現に向け走り始めたバローHD。下永谷店の客入りを踏まえると、スタートダッシュはいいかたちで切れたといってよさそうだ。

(店舗概要)
オープン日 2025年11月21日
所在地 神奈川県横浜市港南区下永谷5-2-1
建物構造 S造 地上4階/屋上駐車場
敷地面積 6658.22㎡
延床面積 1万5479.41㎡
SM売場 2041.27㎡
バックヤード 1339.50㎡
テナント ダイソー、西松屋、マツモトキヨシ(2026年2月上旬予定)
駐車場 292台
営業時間 10:00~20:00(オープンからの3日間は9:30開店)
店長 須貝和行
従業員数 社員28人、パートタイマーなど 210人

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