日本酒市場、食品とのクロスMDを強化し、日本酒とのタッチポイントを増やす
季節感のある演出で、日本酒の価値を訴求する
日本酒のカテゴリーは例年、気温が下がり店頭に鍋物商材が増える10月ごろから数字が上がり、歳暮や年賀といったギフト需要および人の集まる機会が増える年末年始が売上の山場となっている。
日本酒カテゴリーは長年、中高年のヘビーユーザーがけん引してきた市場だが、今後マーケットを拡大していくためには、若年層や女性といった日本酒ビギナーを獲得できるような商品展開や販促施策が求められている。
大関の「レモンにごり酒300ml瓶詰」は同社が参画するJA全農との取り組み「ニッポンエールプロジェクト」での共同開発商品。同品は国産米100%由来のにごり酒にレモン果汁をブレンドすることで、レモンの豊かな香り・酸味とにごり酒のまろやかな旨味がマッチ。レモンテイストのRTDやクラフト飲料を好む若年層に訴求していく。
さらに「のものも」ブランドからは「のものも涼香蔵しぼり2Lはこ詰」を展開。同品はすっきりとした後味は保ち、炭酸と氷を入れて楽しむ「酒ハイ」でも、香りが引き立つ日本酒。大関では爽快感のある「酒ハイ」の飲み方提案で、夏場の需要を盛り上げていく考えだ。
今後、需要を広げていくには、季節感のある演出や総菜とのコラボなど、日本酒ならではの楽しみ方を訴求することが重要となる。コロナ禍以降広がった家飲みの習慣から、30~50代など比較的若い世代も日本酒に挑戦し始めており、自分事としてとらえられるような施策でトライアルにつなげることが、マーケットの拡大につながるだろう。
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