ブーム終焉も販売好調! ハナマルキが「液体塩こうじ」が拓く新たな市場とは

部署横断の「塩こうじ会議」を発足

液体塩こうじサンプリングの様子
液体塩こうじサンプリングの様子

 しかし、塩こうじブームが去った後、塩こうじを提案しても、お客からは「塩こうじはブームが終わり、売れるわけがない」という反応で、営業活動は苦戦した。社内でも「液体塩こうじは売れない」という認識が広がっていた。「即席みそ汁の新商品を発売すれば、液体塩こうじの何倍も売れる。効率が悪い」という発言も社内からあった。

 そこで塩こうじの拡販策を探るため2014年に社内に「塩こうじ会議」を発足させた。人事総務部、財務経理部、マーケティング部、商品企画、営業部の部署を横断する15人前後で構成。構成員は「推進メンバー」と位置付けた。月1回開催し、正午にスタート。毎回同製品を使ったメニューを調理し、参加メンバーが試食して、感想を述べ合う。その後、販売拡大のための議論を交わした。社員の親族や知人への聞き取り調査や社内に向けたレシピコンテストなども開いた。「これは塩こうじに対する社内の意識を高める効果が大きかった」と平田伸行取締役マーケティング部長は話す。

 同時に、スーパー店頭での試食販売を実施し、その結果データを基に議論もした。試食販売はマネキン(実演販売員)の専門会社に委託していたが、平田取締役は、まずは自ら店頭に立って販売した。

 その後、平田取締役は「塩こうじ会議に参加するメンバーも1日店頭に立とう」と提案した。休日の土日に出勤しなければならないこともあり、言いづらかったとのことだが、最初に手を挙げたのが当時の花岡俊夫社長(現会長)だった。当然、メンバー全員が店頭に立つことになり、やがてそれは全社員に広がった。販売員が製品の価値を伝えた結果、店頭でも徐々に売れ始め、スーパーへの導入も増えていった。

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