ブーム終焉も販売好調! ハナマルキが「液体塩こうじ」が拓く新たな市場とは
直近2年間はブーム時を上回る売り上げペースに

発売した2012年の塩こうじ(粒状を含む)の売上高は5億円。ブームになった2013年は7億円と1年で2億円増えた。しかしブーム収束後の2014年からは伸び悩みに転じ、2016年は8億3000万円と、前年を割ることはなかったものの、3年間で1億3000万円しか伸びなかった。
だがその後は各種施策がようやく軌道に乗り始め、直近2年間は年2億円の増額ペースを回復、2024年は18億円を売り上げた。2025年は初の20億円台乗せを計画している。
現在の塩こうじ商品の展開アイテム数は約20品目。液体塩こうじの「一般用」は通常タイプのほか、昨年9月に減塩タイプを発売し、2種類になった。今年4月には熟成させた塩こうじを独自の技術で加熱乾燥し粉末化した「熟成こうじパウダー」も発売した。この粉末タイプは、コク味が出ることから、カレーやチョコレートなどの菓子に使える。業務用がほとんどだが、自社ECサイトや本社工場の直営店でも販売を始めている。
一方、液体塩こうじの「業務用」は通常タイプ、減塩タイプ、菌数制限をクリアするために開発した無菌タイプ、酒精を一切使用せず酵母を混ぜた酵母発酵タイプと品揃えの幅が広がっている。粒状ではハーブとスパイスを混ぜたタイプなどを開発した。
今後の課題はさらなる認知度の向上だ。最近は料理研究家が塩こうじを紹介するなど、テレビ番組での露出も増えている。「年々認知度は伸びてきているが、PRについては今後も粘り強く取り組んでいく」と平田取締役は気を引き締める。