紳士服のAOKI、カジュアル・女性向けを強化する事業モデルに転換

10年後に売上を2000億円に倍増

 今後の核商品となるのが、2011月の販売開始から累計販売75万着を超えたビジネスカジュアルの「パジャマスーツ」と「着回しクロススーツ」だ。

 パジャマスーツは、パジャマのような心地よい着心地でありながら、スーツのような「きちんと感」を兼ね備えた同社独自の商品。ゆとりを持たせたリラックスシルエットに、動きやすく着心地の良いジャージー素材と上品な生地を用いているのが特徴だ。現状の売上構成比は10%に満たないが、カジュアル商品とのコーディネートの軸となるため、今後は3倍に拡大したい考えだ。

今秋冬の新作。前の男性が着ているのが新商品の着回しクロススーツ。奥右手の男性が着用しているのがパジャマスーツ

 今秋投入の新商品「着回しクロススーツ」は、パジャマスーツよりもドレス感が強い一方で、肩パッドなどの副資材を可能な限り軽量化し、軽やかな着心地と肩回りの動きやすさを実現。上下別々に着用できるよう設計されている。販売数を現状より12割増やす方針だ。

 AOKIの売上高は253月期で1034億円。カジュアルと女性向け商品の強化を柱とする新戦略により、10年後には事業規模を2倍の2000億円へ拡大することをめざす。

 主力業態の「AOKI」は、改装による新型店舗の成果を検証したうえで出店を進める方針で、従来の郊外ロードサイド立地から、SC内や総合スーパー(GMS)テナントへの移転を増やす。郊外立地の標準店は150坪から120坪へと転換し、効率化を図る。

 一方、SC内を中心に展開している若年層向け業態「ORIHICA(オリヒカ)」は、現在の110店から200店体制への拡大をめざし、今期は17店を出店する計画だ。

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