HIヒロセ村上文彦社長インタビュー、PRO業態を新たな成長ドライバーに

ホームインプルーブメントひろせ(大分県:以下、HIヒロセ)がコーナン商事(大阪府/疋田直太郎社長)に経営統合されて2年が経過した。村上文彦社長に、社内改革の進捗(しんちょく)と具体策、現場の変化、そして今後の展望を聞いた。

立て続けに2店舗を出店

―このたびプロショップの「HIヒロセPRO」を立て続けに2店舗出店し、3店舗体制となりました。PRO業態を強化するに至った背景について教えてください。

ホームインプルーブメントひろせ 村上文彦社長
ホームインプルーブメントひろせ 村上文彦社長

村上 当社はもともとホームセンター(HC)と食品スーパー(SM)の複合業態「スーパーコンボ」を中心に展開してきたが、さらなる事業拡大の柱としてPRO業態に着目した。2023年6月にコーナン商事のグループに入り、同社が培ってきたPRO業態のノウハウを共有してもらえるようになった。それにより、九州エリアでプロショップを展開しやすくなった。

 実際、統合前の21年12月にHCから業態転換した「OK PRO住吉店」(長崎県長崎市)は好調に推移している。住吉店の成功例から、PRO業態の可能性を社内で実感していた。こうした背景から、PRO強化を成長戦略の柱に据え、SMと並ぶ成長ドライバーに位置付けた。そのねらいは、専門ニーズに応えるプロ業態を伸ばすことで事業規模を拡大し、地域のプロ顧客からも選ばれる存在になることである。

HIヒロセPRO下郡店
写真は「HIヒロセPRO下郡店」

―HIヒロセPROを新規出店するに当たって、どのような準備をしてきましたか。

村上 コーナンPROの棚割りを参考に、プロ顧客のニーズに合わせて商品構成を刷新した。建築資材や電動工具、作業衣料といったプロ向け商材を大幅に拡充し、約3万5000SKUを取り揃えている。コーナンのプライベートブランド商品も積極的に導入し、価格競争力と収益性の両立を図った。これにより、「この店ができて便利になった」と感じてもらえる品揃えを実現している。

 売場設計の面では、職人さんが朝一番に資材を調達しやすい店舗づくりを心掛けた。月~土曜日は早朝6時30分から店を開け、現場へ向かう前に必要な資材を購入できるようにしている。大型車両での来店にも対応できるよう駐車場や動線を工夫し、重い資材もスムーズに積み込める環境を整備した。

 加えて、専門知識を持つ人材の育成にも注力している。社内研修やメーカー協力の勉強会を通じてスタッフの商品知識を高め、プロのお客さまに的確な提案ができるようにした。現場経験のある人材の採用も進め、接客面でもプロ目線での助言や相談対応ができる体制を強化している。これらの改革によって、プロ顧客から信頼される店づくりを現場レベルで推進している。

ページ: 1 2

Previous Post Next Post