ダイエー店舗を承継 「イオンスタイル市川コルトンプラザ」をレポート
イオンリテール(千葉県/古澤康之社長)は11月15日、千葉県市川市の商業施設「ニッケコルトンプラザ」に、総合スーパー(GMS)「イオンスタイル市川コルトンプラザ」(以下、市川コルトンプラザ店)をオープンした。2025年8月末に閉店した「ダイエーいちかわコルトンプラザ店」から区画を引き継いだ同店舗。開店日は約2000人が詰めかけ、食品売場は入場制限がかけられる盛況ぶりだった。開業日当日の様子をレポートする。

ダイエーの後継テナントとしてオープン
市川コルトンプラザ店がある市川市は、東京都心から約20km圏内にあり、JRや東京メトロ東西線など複数の鉄道路線が通るエリアだ。交通利便性の高さと住みやすさが支持され、イオンリテール広報は「多くのファミリー層が居住する人気のエリア。20~40代の子育て世代の割合がとくに高い」と話す。
その市川市の中心部に位置するのが、市川コルトンプラザ店だ。JR総武線・都営新宿線「本八幡」駅から約1kmに位置し、周辺は住宅街や学校、役所が点在する。複数の専門店や飲食店が入る複合商業施設「ニッケコルトンプラザ」内、「ダイエーいちかわコルトンプラザ店」(25年8月閉店)の後継テナントとして入居した。

売場面積は約1万3779㎡。2階に食品、日用品、ヘルス&ビューティーケア(H&BC)、調剤薬局、3階に衣料品を展開するフルライン型のGMS店舗となる。商圏分析のもと、ダイエーから売場や品揃えを大きく変更している。
「MEAT PARK」の施策を一部導入した精肉売場
食品売場は売場面積を1.3倍に拡大し、生鮮食品を強化した。青果はファミリー世帯に人気の地場野菜をコーナーで設置。鮮魚は対面販売に注力し、スタッフが常時売場に立って調理やメニューの提案を行う。

特徴的なのが精肉だ。イオンリテールは現在、従来の畜産売場とは一線を画した売場づくりに取り組んでおり、10月に「イオンスタイル伊丹」(兵庫県伊丹市)の畜産売場を「MEAT PARK(ミートパーク)」に改装。売場を6つのゾーンに分けて豊富な種類の肉を取り揃えるほか、インストア加工比率を5割超まで引き上げて鮮度を打ち出すなど、新しい施策を実行している。

市川コルトンプラザはミートパークの位置づけではないものの、一部施策を導入。インストア加工比率50~60%をめざして店内加工に注力するほか、幅広いラインアップを展開する。たとえば牛肉だけでも「黒毛和牛」「松坂牛」、イオンのプライベートブランド(PB)「トップバリュ」の「北海道産匠和牛」、「トップバリュ グリーンアイ」の「タスマニアビーフ」、ダイエーのオリジナルブランド黒毛和牛「さつま姫牛」など複数ブランドを揃える。「トモサンカク」などの希少な部位のほか、少量パックも扱い、多様なニーズに対応する。

豚や鶏肉はファミリー世帯向けに大容量の「ジャンボパック」を販売する。「豚ロース味付トンテキ」など、簡便調理の商品も充実させた。
新商品の「海苔弁当(鮭)」は、千葉県市川市の名産品「行徳海苔」を使っている
総菜は、対面量り売りコーナー「リワードキッチン」や店内で焼き上げたピザを提供する「ピッツァソリデラ」のほか、弁当や揚げ物などバラエティ豊富な品揃えを実現している。市川市はファミリー世帯に次いで単身世帯の比率が高いことから、仕事帰りの需要を見込む。開店に合わせて開発した市川市の特産品「行徳海苔」を使った「海苔弁当(鮭)」(税抜698円)などの新商品も売場に並べた。

そのほか酒類でも、市川市のブルワリー「ありのみブルワリー」が製造したビール「ココニアビール」や「ビーツでつくったIPA scarlet」などの地場商品を扱っていた。
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