ベルクのディスカウントフォーマット「クルベ」、開店から2年超で見えた変化と進化
ベルク(埼玉県)が2023年7月に新フォーマットとして開発した「クルベ」。1号店「江木店」(群馬県高崎市)のオープンから2年超が経過し、現在は3店舗まで拡大している。「Challenging The Limit of Belc」をコンセプトに掲げ、新たなディスカウントの形を模索するクルベ。江木店の集客は依然として好調であるようだ。この2年あまりで同店の売場づくりはどう変化したのか。前編となる今回は、江木店の売場づくりを再確認していきたい。※文中の価格は税別

単価アップの仕掛けが各所に
江木店のレイアウトはオープン当初から大きな変更はなく、売場づくりはそのまま維持されている。視察は月曜夕方で売上の高い週末明けのため商品の補充は控えめだったが、購入頻度の高い商品に欠品はなく、一定の水準を保っていた。
青果売場のトップはオープン時と変わらず果物であった。タカミメロン599円、小玉スイカ799円、スウィートパイン299円と手ごろな価格を前面に配置し、壁面にはバナナ99円といったデイリーユース商品を訴求。さらに中央エンドではスイカ1999円とトマト箱売り999円を並べ、単価アップをねらった仕掛けも確認できた。
野菜は、かいわれ大根10円、小松菜79円、白菜4分の1カット99円、生シイタケ袋99円、もやし200g袋17円、1㎏袋79円と2ケタ売価設定の商品を中心に目玉商品を並べていた。土物コーナーでは、玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジンをセットにしたカレー用野菜セットを229円で販売するなど、原体単品以外の商品についても品揃えを広げていた。
精肉は「割安感」の演出に一工夫
精肉もオープン時同様、チルドピザを3SKU・各499円から展開している。主通路沿いの平台では「訳あり商品」として国産若鶏手羽元(解凍品)を2kgパック・100g39円で販売し、メガと記載されたジャンボパックを中心に強いインパクトを打ち出していた。
売場全体では豚肉・鶏肉を中心に値頃感を訴求。塊肉ディスプレイにも豚肉を用い(オープン時は牛肉を使用)、2000~4000円台で展開していた。牛肉は平台で味付肉を100g99円の均一価格で4SKUを販売し、一体感のある陳列で視認性を高めていた。店奥の壁面では輸入・国産を組み合わせて焼肉用やステーキ用を揃えるだけでなく、高級ブランド肉の松阪牛切り落としを100g500円で販売するなど意欲的な取り組みも見られた。
鮮魚は店内加工を活用した刺身や切身を強化している。ツマなしではあるが、かつおのたたき359円、きはだまぐろ角切100g199円の設定で、小パックは300円台、大パックは500円台で販売し、手軽な購入アイテムとして売り込みを行っていた。ノルウェー産の生アトランティックサーモンは柵切りで100g429円の価格設定で、500円~900円台と幅広く値付けしている。また半身サイズは100g379円と、ユニットプライスに変化を与えて割安感を打ち出している。
隣接する寿司コーナーはオープン時よりもバリエーションが拡大し、定番の握り寿司では、マグロやサーモン、イクラをネタに使用した赤酢シャリのグレードアップ商品(9貫899~999円)やマグロやサーモンの刺身とすき身を併せて盛りつけた「モリモリ!のっけ寿司」699円など、見た目にインパクトのある商品も投入している。値ごろ感のある12貫599円のアイテムを併売しながら、新たな魅力創出に取り組む姿勢が伝わってくる。
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