4月の対米輸出、4カ月ぶり減=関税発動後、車・鉄鋼落ち込み―財務省

東京都大田区のコンテナターミナル
〔写真説明〕東京都大田区のコンテナターミナル(資料写真)

 財務省が21日発表した4月の貿易統計速報(通関ベース)によると、米国向け輸出額は前年同月比で1.8%減の1兆7708億円となった。減少は4カ月ぶり。トランプ米政権が追加関税を課した自動車の輸出額は4.8%減、鉄鋼も29.0%減った。米国の高関税政策が続けば、対米輸出はさらに落ち込む恐れがある。

 米国向け輸出の稼ぎ頭である自動車を中心に輸出額は減少した一方、米国からの輸入額も9902億円と11.6%減少した。円高や原油安などの影響で輸入の減少幅の方が大きく、差し引きの貿易収支は7806億円の黒字となった。対米貿易黒字は14.3%増加した。  トランプ政権はほぼ全ての貿易相手国・地域を対象に関税を発動した。日本の米国向け自動車輸出の台数自体は、1月から前年同月比での増加基調が続くが、大和総研は今後について「対日関税の引き上げと世界経済の悪化で下押し圧力がかかる」と予想している。

 4月の貿易統計は全体で、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が1158億円の赤字。赤字は3カ月ぶりで、輸出が9兆1572億円となる一方、輸入は9兆2730億円だった。前年同月比の増減率は、輸出が半導体等電子部品や食料品、医薬品が伸び、2.0%増加。輸入は2.2%減少した。     

◇4月の貿易統計
       輸出額     輸入額     差引額
総 額  91,572  92,730  ▲1,158
      (2.0)  (▲2.2)   ( ― )

〔主要貿易相手別の内訳〕
中 国  15,782  22,573  ▲6,791
     (▲0.6)   (6.7)   ( ― )
米 国  17,708   9,902   7,806
     (▲1.8) (▲11.6)  (14.3)
E U   8,367  10,015  ▲1,648
     (▲5.2)  (▲0.6)   ( ― )

(注)通関ベース。単位億円、億円未満四捨五入。かっこ内は前年同月比増減率%。▲は赤字または減。―は比較できず

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