2025年春・夏に売れた食品・飲料「新商品/リニューアル」何が響いたのか
原材料価格の高騰や円安の影響など、先行き不透明な状況下、消費者の購買プロセスは日々変化している。本稿では2025年の春夏新商品ヒットランキングを見ながら好調の要因と消費のトレンドを探る。
商品リニューアルでカテゴリーに活気を与える
2025年1月~6月に新商品・リニューアル商品として発売された商品を期間金額PIでランキング化したところ(販売店率20%以上の商品が対象)、主要カテゴリーのランキング1位商品は【図表】のような結果となった。

加工食品部門を見ていくと、1位に挙がった商品は、原材料費高騰などの影響による容量の見直しや、ユーザーの声に応えたリニューアル品が多く選出された。
サラヤの「ラカントS 顆粒」は、発売30周年を迎えた甘味料のロングセラーブランド。砂糖の300倍の甘さを持つ羅漢果の高純度エキスと、トウモロコシを発酵させて得られる甘味成分エリスリトールを使用したカロリーゼロの甘味料で、砂糖と同じ甘さで使いやすい点が特長となっている。
発売当初は、カロリーや糖質制限を必要とする層を中心に訴求してきたが、近年はSNSを活用した情報発信を強化し、美容・健康志向の若年女性にも利用が広がっており、580gの大容量タイプが伸長している。
同ブランドはシロップタイプの「ラカントS シロップ」や機能性表示食品の「ラカント フローラビオ」などシリーズ品も多く展開しており、低カロリー甘味料市場の拡大に貢献している。
25年に発売20周年を迎えたモランボンの韓国調味食品シリーズ「韓の食菜」。中でも「韓の食菜 チヂミ」は家庭で手軽に本格的なチヂミをつくることができる簡便商品として人気を集めている。
今期大規模リニューアルを実施した同品は2回分入りだった専用粉を家庭での調理頻度に合わせて1回分にし、人参の具材入りの牛だしをセット。牛だしは希釈不要で彩りもよく、利便性と満足感を高めた。さらに醤油や酢、ごま油に香味野菜を加えた薬味たれも好評を得ている。リニューアル後は対前年同期比74.1%増※とブランド価値の向上と韓国料理の定番化に大きく貢献した。

