パナソニック×ゴールドウインの異色タッグが変える、「ダウンは家で洗えない」という常識

アンケートの結果とそこから見えるニーズ

 厳しさを増すドラム洗濯機市場。果たして、この新機能はどこまでポイントを押し上げられるのか。

 結果を予測するうえで、パナソニックが行った消費者が抱える衣類ケアの悩みの調査が参考になる。それによると、「手入れに困る冬物衣料」はダウンジャケットが最も多く、65%。次にコート(63%)、ニットやセーター(48%)と続いた。

 また、ダウンジャケットの手入れは「1シーズンに1回クリーニングに出す」が31%で最多。「家庭でどう洗えばよいかわからない」「失敗したくない」という不安も浮き彫りになっており、1シーズンに複数回洗う人は約11%にとどまっている。

 この結果だけをみれば、ドラム式洗濯機の購入を検討する消費者の購買スイッチを押す付加価値として、新機能は十分に有効になりうるといえる。

 ドラム式洗濯機市場では以前から「タオルコース」や「撥水回復コース」など、衣類に特化したコースへの関心が高まっており、こうした潮流も追い風となる。

 家電市場はECを主戦場に価格競争に陥り、成長の袋小路に入りつつある。日本の家電業界においては、機能の豊富さを追求するあまり、過度な機能で個性を失い、シンプルながら丈夫で使いやすい海外勢に飲み込まれた苦い過去もある。そうした中で、「顧客の隠れたニーズに応える専門性の深化」を追求する機能が、よりシビアになった消費者にどこまで受け入れられるのか、「5%」の攻防が注目される。

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