寿司チェーン・や台ずしが創造する”寿司居酒屋の新常識”

幅広い客層をターゲットにした地域密着型の店づくり

や台ずし内観
名古屋市・車道町の店舗内

 もう一つの「わかりやすい魅力」が、土日祝でも19時(GW・年末年始などは一部例外店舗あり)までは生ビールを含むドリンクが半額であることだ。というのも、寿司店は総じてお酒の価格が高めで、回転寿司チェーンも寿司の価格は安い一方、アルコールは高めの価格設定であることが多い。

 「寿司屋でお酒を安く飲める店は案外少ない。居酒屋でありながら、カウンターには寿司ネタケースも設置して、技術を身につけた職人が目の前で寿司を握る。このメリハリある設計が、お客さまの満足度につながっている」(伊達氏)

 や台ずしが“ありそうでなかった店”だと言われる理由がここにあるのだ。

 さらに、当初は30~40代の男性サラリーマンを主なターゲットにしていたが、現在では子連れファミリーから高齢者世代までを積極的に呼び込む。

「来店時におもちゃを渡すなど“お子さま歓迎”を打ち出し、ファミリー層には安心感を与えている。おかげさまで三世代での来店も多い。モットーは『赤ちゃんから、おじいちゃん・おばあちゃんまで』。これが結果的に地域密着型の強みにもなっている」(伊達氏)

 普段使いできる、家族連れでも気軽に行ける店と印象づけるために、背もたれのない丸椅子、掘りごたつ席、飾り気のない内装など、あえて敷居の低い店づくりにもこだわる。

「“力を抜いた内装”がや台すしの特徴。毎日通える寿司屋、寝間着で1人でも毎日通えるような店舗をめざしている」と伊達氏。

 よい意味でチェーン店らしさを感じさせない工夫が、リピーター獲得につながっている。とくにコロナ禍では、“徒歩圏内で、普段着で行ける寿司屋”としての使い勝手の良さが評価された。

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