「ニュウマン高輪」がデザインする100年先の生活価値とは

親子が遊べるフロア「こもれびら」

 低層階の南棟5階には、大人と子供がそれぞれの時間を楽しめる体験型フロア「こもれびら」を設けた。日本出版販売(東京都/富樫建社長)の子会社が運営する書店「ブンキツ トーキョー」が約1000坪と大半を占め、約10万冊の本を揃える。全223席の3種のカフェラウンジも併設する。同社が展開する「文喫」は通常入場料が必要だが、高輪では半分以上を無料スペースとしている。

5階南棟には、親子で遊べる共遊空間「こもれびら」を設けた。大型書店「ブンキツ トーキョー」(写真)を運営する日販子会社のひらく(東京都/染谷拓郎社長)が、売場環境や動線設計までプロデュースした

  書店のほかにも、親子で利用できるカフェや写真館、雑貨店などを配置。さらに、施設周辺に住む地域住民の利用を想定し、フロア内の3カ所には遊びとアートをテーマにした館内パークを設けた。ルミネが子供を切り口にフロアを編成するのは今回が初めてだ。

「こもれびら」内の写真館「クッポグラフィー」では、七五三や誕生日などの節目に合わせて、より自然なかたちで親子の記念写真を撮影できる。駒沢公園、横浜港北、福岡、沖縄に続く5店舗目
「こもれびら」には遊具を備えた屋内パークを3カ所配置した。写真は五感で楽しめるという「フレルト」と呼ぶ遊び場

アーバンリサーチとリサイクルで共創

 南北棟の14階にはファッション、雑貨、飲食、サービスなど多様なテナントを配置した。あえて明確なコンセプトは設けず、「100年先のまだ見ぬ生活価値をデザインする」というパーパスを軸に、「社会性やまちづくりへの参画、海外への日本文化発信といった要素を取り入れている」と鈴木店長は話す。

 4階にはセレクトショップやコスメ、家具などを集め、ベイクルーズグループホールディングス(東京都/窪田祐CEO)が「スピック&スパン」や靴の「ルタロン/グリーズ」、家具の「ジャーナルスタンダードファニチャー」を同一フロアに展開する。

 ビームス(東京都/設楽洋社長)は北棟に新業態「ビームス カルチャート」の初の単独店を出店した。現代アートの書籍や中古レコード、フィギュア、グラフィックTシャツなど多様なポップカルチャーを揃え、入門者向けに紹介する。さらに、ミルクティー専門店の常設コーナーも初めて設けた。

4階北棟の「ビームス カルチャート」は、24年11月に横浜駅西口の大型店「ビームス ライフ横浜」でコーナー展開してきた。高輪では初めて中古レコードの売場を設け、約500枚を揃える

 アーバンリサーチ(大阪府/竹村圭祐社長)は、南棟で「ザ グッドランド マーケット」を展開する。ここではルミネと共創し、地元などで回収した制服から再生布をつくり、商品化して販売する取り組みを始めた。これはニュウマン高輪が掲げる「楽しく心地よく社会とつながる体験」を体現するプロジェクトの一環だ。

「ザグッドランドマーケット」は「堀江店」(大阪市)に続く2号店。地元高輪の中高生やJR東日本の技術職社員が着用していた制服を回収し、リサイクル糸製造のキュアグループ(東京都/江守剛社長)が再生布を製造。「クチュ」ブランドとして再商品化し販売する
南棟にはインショップとして最大規模の約142坪の化粧品編集ショップ「アットコスメストア」を出店。百貨店ブランドから低価格のプチプラまで約450ブランド、約4500アイテムを揃える

 

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