「ニュウマン高輪」がデザインする100年先の生活価値とは

ルミネ(東京都/表輝幸社長)はJR「高輪ゲートウェイシティ」駅前に同社最大規模となる商業施設「NEWoMan(ニュウマン)高輪」を912日に本格開業した。高層ビルの低層階を中心に約180店(期間限定店を含む)が出店し、来年春にはさらに約20店の出店を予定する。「商業施設というよりもまちづくりや未来づくりに挑戦する」(表社長)というコンセプトの下、「リアルな体験価値」を提供し、社会や地域とつながり、共創することをめざしている。

駅前に建つ2棟の高層ビルはSouth(南棟 写真左)とNorth(北棟 写真右)に分かれ、ルミネはいずれも1~5階の低層階を使用する。「ルフトバウム」は北棟の最上階に位置する

JR東日本による巨大複合開発のプロジェクトの商業ゾーン 

 JR東日本(東京都/喜㔟陽一社長)が総事業費6000億円を投じ、来年春にグランドオープンを予定している国内最大規模の複合開発プロジェクト「高輪ゲートウェイシティ」。その商業施設部分を担うのが、ルミネが展開する「ニュウマン」3カ所目となる「ニュウマン高輪」だ。

 同プロジェクトは、JR東日本が品川車両基地跡地9.5ヘクタールを単独で再開発したもの。まず2020年に駅を開業し、その後、高さ160mを超える複合ビル4棟と文化創造施設1棟を建設する。高層ビルには約3万人が働くオフィスが入居する予定のほか、2510月にはラグジュアリーホテルも開業予定。さらに来春には賃貸住宅棟も竣工する。

 高輪ゲートウェイシティのコンセプトは「100年先の心豊かなくらしのための実験場」。環境やヘルスケアを重点テーマに掲げ、253月に開設した大学やベンチャー企業が集うビジネス創造施設では、まち全体を実験場に見立てて、社会実装のための研究開発を始めている。

足元商圏と超広域商圏の2本立てで臨む

 こうした開発コンセプトを受け、ニュウマン高輪は「商業の枠を超え、100年先のまだ見ぬ生活価値をデザインする」をパーパス(目的)に掲げた。

ルミネの表輝幸社長。JR東日本が単独で駅からを起点に再開発した高輪ゲートウェイシティの立地を念頭に、「ゼロからまちをつくれる場所はもう残っていない。ここでしかできない課題にチャレンジする」と話す

「客層はオールターゲット。商圏というよりもデスティネーション(目的来店)性の高い施設として、世界中から訪れてもらう場所にしたい」と表社長は意気込む。

 立地面では羽田空港から約15分、リニア中央新幹線の始発駅となる予定の品川駅にも近い。「関西や海外からの来訪者を取り込む一方で、高輪や白金など周辺エリアには港区住民の半数が居住しており、足元商圏の重視も欠かせない」と、ルミネの執行役員・ニュウマン高輪店長の鈴木和馬氏は説明する。

 延床面積は約52000㎡。「ニュウマン新宿」(東京都新宿区)の3.5倍、「同 横浜」(神奈川県横浜市)の2倍に相当する。

 ニュウマン高輪は、駅前に立つ2棟の高層ビルの低層階(15階)を中心に展開する。ビルはSouth(南棟)とNorth(北棟)に分かれるが、145階は連結されており、往来が可能だ。専門店の数は165店、期間限定を含めると177店が入居する。さらに、来春に開業する北側の高層ビルにも約20店が出店する予定だ。

 専門店の構成は、ファッションが約4割、コスメ・ライフスタイルが約3割、飲食・サービスが約3割となっている。

 

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