猛暑だけではない、サーティワン絶好調の理由
アイスクリーム専門店チェーンとしてダントツの知名度を誇る「サーティワン アイスクリーム」(以下、サーティワン)。売上高は3年連続で最高記録を更新する見込みだ。絶好調の理由は昨今の猛暑だけではない。運営会社のB-R サーティワン アイスクリーム(東京都/代表取締役会長 兼 社長CEOジョン・キム)のマーケティング部長・橋本貴史氏に、グローバル本部にも認められているという日本独自の経営戦略と施策について話を聞いた。
売上高を3年連続で更新中

2024年度12月期の連結決算は売上高306億8800万円、対前期比23.9%と大きく成長したサーティワン。3年連続で記録を更新し、2025年度も絶好調。1~6月期の売上高は158億1700万円で、売上高と営業利益はともに11.4%増。25年度も過去最大の売上高を見込んでいる。
2025年6月末現在の店舗数は1049店で、北海道から沖縄まで全国に展開。そのうち99%がフランチャイズ(FC)加盟店だ。国内の新規出店にも積極的で、昨年は21店舗を増やしている。マーケティング本部マーケティング部部長の橋本貴史氏は「さまざまな施策が奏功し、店舗売上の好調が続いている」と話す。
施策の例を挙げると、5月から6月にかけて開催した、アイスクリームが3つ重なった「トリプルポップ」に追加で最大7つ積み上げて10種の味を楽しめる「よくばりフェス」、『ONE PIECE』『スーパーマリオ』など人気のマンガ・アニメ、ゲームのキャラクターとコラボレーションしたキャンペーンなどがある。
「おかげで既存のお客さまはもちろん、新規のお客さまのご来店が増えている」と橋本氏。それを後押ししているのが、2021年に策定された長期経営計画「ロング・レンジ・プラン(LRP)」に基づくマーケティング活動だという。2031年に税引前当期純利益(PBT)31億円をめざしているサーティワンではLRPで「ブランドパワー強化」「デジタル化」「スマート31」「販売拠点拡大」の4つの戦略を推し進めている。
「とくにブランドパワー強化の一環で、サーティワンの根幹であるフレーバーを楽しんでいただくキャンペーンを展開するとともに、新しいお客さまにアピールするコミュニケーション戦略が奏功している。さらに、そこに顧客体験や店舗運営のデジタル化、サプライチェーンの最適化、店舗数の増加などがシナジーを生み、結果に結びついている」と橋本氏)